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【基本の薬膳11】「五臓(肝、心、脾、肺、腎)」の働きと調える食べ物

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

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薬膳の基には「五行説」の考えがあるため、「五味」をバランス良く摂り入れることが大切とご紹介しました。今回は、体の機能でもある「五臓・肝、心、脾、肺、腎」とその働きを助ける食材をご紹介します。「五行」や「陰陽」で分類した臓器や体の働きは、東洋医学独特の考えで組み立てられたため、「心」「腎」などと書いても西洋医学の「心臓」「腎臓」といった臓器とは異なる場合もあります。また臓器にとどまらず、体のなかでの役割や機能を含む広い意味で使われるので、そのあたりを中心にご紹介していきますね!

 

「肝(かん)」の働きと、適する食材

「肝」とは肝臓であり、「気血」を巡らせ、血流も促します。自律神経を「肝」で司ると考えるため、イライラやストレスに弱かったり、過敏性大腸炎、目のかすみなどは「肝」の弱りを考え、「血」で補います。また「肝」が弱っているときは、自分にとって負荷がかかりそうな出来事を避けると良いです。一方、頭痛、のぼせなどの症状は「肝」の働き過ぎで、これらの症状が出やすい、「肝」バランスの崩れやすい季節は春とされます。

 

「肝」の主な役割

ストレスから身を守る、造血作用、「血」を巡らせ蓄える

  • 「目」の働きと関わる

 

「肝」に働きかける食材

ウナギアサリ、シジミ、ニラ、ホウレン草、小松菜、セロリ、セリ、ヨモギ、春菊、イチゴ、梅、ゴマ など 

(なかでもセロリやセリは、「肝」の行き過ぎた働きを落ち着かせる。)

 

季節ならではの不調については、改めてご紹介しますね。

 

「心(しん)」の働きと、適する食材

「心」とは心臓であり、全身に「血」を循環させるほか、感情や意識を司るので「心」の弱りで動悸や不眠、物忘れなどが起こると考えます。夏は「心」の働きが活発になりますが、行き過ぎると高血圧や心臓病のきっかけになるとされます。

 

「心」の主な役割

全身に「血」を循環させる、精神を健全に保つ、情緒の安定、冷えを防ぐ

  • 「舌」の状態や「脈」と連動する

 

「心」に働きかける食材

、小麦、小豆、緑豆、ユリ根、レンコン、スイカ、トマト、ニンジン、牡蠣、牛乳、烏龍茶、紅茶、利尿作用のある食材 など

 

食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した経路のことを「帰経(きけい)」と呼びます。例えばユリ根は「心」に入って効く「心経」ですが、ほかに「肺経」でもあります。「帰経」が複数ある食べ物は、ほかにもたくさんあります。

 

「脾(ひ)」の働きと、適する食材

「脾」とは、胃、腸といった消化器官を示し、体全身に栄養を送り届ける役割をしています。口から入るものに由来するため、食欲不振は「脾」の弱りを考えます。慢性疲労やだるさも「脾」が原因とし、水分である「津液(しんえき)」に関わるのが「脾」なので、むくみは「脾」の弱りとします。

 

「脾」の主な役割

「口」から入った食物や飲料を栄養に代え全身に運ぶ、食物の消化吸収、栄養を「気」 「血」に変換する、老廃物を汗や尿にして排出する

  • 「胃」の働きと関わる

 

「脾」に働きかける食材

米、ハト麦、牛・鶏・羊肉、大豆、黒豆、カボチャ、ニンジン、アスパラガス、長芋、葛、ショウガ、玉ネギ、トマト、マイタケ、リンゴ、レモン など

 

これらの食材は、胃腸を強化したり、便秘にも効果のあるものが多いです。

 

「肺(はい)」の働きと、適する食材

「肺」とは、空気に関連し「気」「水」を調節するところです。粘膜を潤して「水」を補うため肌の保湿も「肺」の役割とし、「肺」の代謝が崩れれば風邪、花粉症、咳、息切れを生じます。

 

「肺」の主な役割

呼吸を司る、水分を調整する、粘膜を保護する、免疫機能を調整する、肌トラブルを防ぐ

  • 「鼻」や「皮膚」に関わる

 

「肺」に働きかける食材

ハト麦、松の実、銀杏、ダイコン、山芋、ユリ根、玉ネギ、長ネギ、白菜、レンコン、シソ、ショウガ、クルミ、ナシ、柚子 など

 

それぞれの「帰経」は、冷えを取り除いたり(温肺)、乾燥を和らげる(潤肺)といった風にさらに細かく分岐して表記されることもあります。

 

「腎(じん)」の働きと、適する食材

「腎」とは泌尿器系の役割を担うだけでなく、「脾」で吸収された栄養を蓄えます。活力を蓄える場所で、体を温める「火」と体に必要な「水」を調整。発育にも関係するため「腎」の弱りで、腰痛や骨粗しょう症が起こると考えます。

 

「腎」の主な役割

活力(エネルギー)を蓄える、老化を予防する、美容に働きかける、成長や発育を促す、ホルモンバランスを整える、骨や歯の弱りを防ぐ、頻尿予防

  • 「骨」、「歯」、「耳」に関わる

 

「腎」に働きかける主な食材

鮭、アジエビ昆布(「鹹」味)、クリ、クルミ、サツマイモ、トウモロコシ、ブドウ など

 

冬を乗り切るために紹介される「黒豆、黒ゴマ、キノコ類」といった黒色食材は、まさに「腎」に働きかけて体を元気にするパワーを秘めています。「きれいな肌を手に入れたいわ!」というみなさんにおすすめします。

 

「五臓」を巡る「気、血、水(陰陽)」

これまで度々、「気、血、水」の紹介をしてきましたが、「五臓」を中心に私たちの体を巡るのが「」です。そして「気」は「陽」、「血、水」は「陰」に属するので、「気、血、水がより良い状態で体を巡る」=「陰陽のバランスを保つ」ことになり、東洋医学や薬膳の基本になっています。これまでバラバラに感じられた概念が、少し繋がってきた感じがしませんか?これからも、自分の体調を知ったり、食材自体の性質や分類をご紹介して、体に優しい調理をしやすいよう紹介しますので一緒に薬膳を楽しんでいきましょうね!

 

【基本の薬膳10】実はすでに知っている!?身近な「陰」「陽」の概念

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日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。

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