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【整理整頓を始めよう44】日本の家の半分が、実は「ゴミ屋敷予備軍」!?

最近よくテレビでも取り上げられる「ゴミ屋敷」、あれはごく一部の「変わった人」のお話と思っていますよね。今回は、みなさんの家も実は「隠れゴミ屋敷」かもしれないというお話です。テレビに出てくる「ゴミ屋敷」は、家の中に収まらなくなった物たちが家の周りにも溢れかえり、景観だけでなく虫や異臭などで近隣からクレームが出て、行政が動くほどのレベルになっている家もあります。他人事としてみなさん驚かれますが、レベルの差こそあれ日本の家庭の半数以上はゴミ屋敷なんじゃないかと、私は思っているのです。

実は私もそうでした!庭を埋め尽くしたゴミ袋にビックリ!

写真を撮っていなかったのが悔やまれますが、私が5年前に徹底的に整理整頓した際、庭がゴミ袋で埋め尽くされるほどの処分品が出ました。とはいえ、家の中がゴミ屋敷状態だったわけではありません。物の量が多くて片付けにくく、収納に困るので収納家具を買い、ソファーや収納家具に囲まれ、「なんだか狭いな」「広い家に引っ越したいな」と思いながら暮らしていたのです。片付けてみて初めて、持っていた物の量に気付きました。

開封できないダンボール、本当に必要ですか?

先日、東京タワーが見下ろせる都内のマンションに半年前に引っ越したお宅から依頼を受け、伺いました。すると、5畳の洋室の半分を、まだ開封できていないダンボール約30個が占め、納戸化していました。すでにそれぞれの部屋の収納には開封された荷物が入り、家族の生活は始まっています。この未開封のダンボールについて「どうしたらいいですか?」と相談されました。「すでに日常生活が送れているので、未開封のダンボールに入っている物は不要なもの、つまりゴミだと想像できます」とお答えしたうえで、「ダンボールの中に必要な物があった場合、すでに収納されている物を半分の量に減らして、ダンボールの中身が収まる場所を確保しなければなりません」とお伝えしました。高級な新居生活のスタート時点で、残念ながら既にゴミ屋敷です。数千万円もする納戸なんて笑えませんよね。

 

物が収納に収まり切らない家は要注意!ゴミ屋敷予備軍かも

今度は別の方のお話です。引っ越し前の整理整頓のお手伝いに伺いました。先ほどの未開封の段ボールの例を踏まえ、新居に移る前に不要なものを徹底的に捨てる大切さを力説し、「物の総量を半分に減らす!」を共通目標にして作業に取り掛かりました。助っ人も加わり4名で作業すること1日。上の写真の3倍のゴミが出ました。物が収納の外に出ている家は要注意です。処分予定のゴミの山は、立派なゴミ屋敷状態ですね。ご本人も「まるでゴミ屋敷のようだ!」と驚いていましたが、ほとんどの人はゴミ屋敷を他人事として笑えないはずなのです。

捨てるのも大変!時間も掛かります

写真のように、このお宅も一見するとモノの量が多いなという程度で、ゴミ屋敷ではありません。「総量を半分にする!」という目標で始めましたが、実はあの量のゴミ袋でも物は半分になっていません。こちらから無理やり捨てさせることはなく、対話の末、ご自身が納得してから捨てて頂くので、多くの場合は、1/3程度しか達成できないというのが私の感触です。

物の量が多いと「百害あって一利無し」

今回、夏休み休暇中に短期間で2軒のお宅を作業させていただき、改めて感じたのは、物が多いと管理や維持、収納にかける時間と手間が甚大だということです。また捨てることに疲弊することも。物が多くていいことは1つもなく、「百害あって一利無し」です。物を捨てるのが得意じゃない人は、自宅がゴミ屋敷予備軍だと思って、家の中を見回してみて下さい。私も、改めて自宅を見直し、整理したいと思います。

 

 

Be Present代表 尾井理恵

ヨガ、整理整頓、ベジ和食のレッスン、コンサルティングを行う「Be Present」代表。横浜市在住。整理整頓のアドバイザーとして各地で講演、個人宅でのコンサルティングを行っています。また、自宅兼スタジオおよびスクール講師のほか、定期的にヨガ、料理教室のイベントを開催しています。Facebookはこちら