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【栄養士まなさん節約レシピ24】味の濃さを一定にするタレ4種で作る料理

ブログなどにレシピを載せているので、いろいろな方と料理のお話をしますが、「作るたびに煮物や味噌汁の味が違う」とよく聞きます。今回は、「味付けをパーセントで考える」ことで、お悩みを解決していきます。調味料の塩分や糖分を、料理の総量に対するパーセントで捉えると、材料や食べる人数が変わっても味付けがブレることがありません。とはいえ、毎回頭の中で計算するのは面倒なので、この考え方を手軽に取り入れられる、便利な合わせだれもご紹介します。

美味しい味付けの塩分濃度を覚える

一般的に人間が美味しいと感じる塩分濃度は0.8~1.0%と言われています。人間の体液の塩分濃度は0.85%なので、理にかなっている数字なのかもしれません。健康維持のためには、「やや薄め(0.6~0.8%)の味付けで、必要に応じて香りや酸味を効かせて整える」ことを目標にするといいですね。食塩摂取の1日の目標量は、成人男性10g未満、成人女性8g未満と考え、1食あたりの塩分は、3g程度を目安にするとよいでしょう。

また、小さなお子さんはもっと薄味でよく、大人の半分程度の味付けが目安です。逆に、運動部所属の中高生や重労働のご主人がいる場合は、発汗に伴う塩分の喪失量を考える必要があるので、やや濃い目の味付けにするとよいでしょう。かと言って、家族一人ひとりに別々の味付けをするのは大変ですよね。濃い味付けにするときは、梅干し・漬物などをプラスしたり、岩塩など結晶が粗めの塩を表面に振ったりする方法がおすすめです。味付け全体を濃くすることは避けましょう。

塩・醤油・味噌など「塩分換算」の基本

食塩(精製塩)・醤油・味噌は、すべて小さじ1杯を6gとして計算します。塩の分量とその考え方は以下のとおりです。

 

  • 塩少々:親指と人差し指の2本でつまんだ量(約0.6g)
  • 塩ひとつまみ:親指と人差し指と中指の3本でつまんだ量(約1g)
  • 塩ひと振り(食卓塩):塩ひとつまみとほぼ同量

 

砂糖・ハチミツ・みりん・みりん風調味料「糖分換算」の基本

砂糖、ハチミツ、みりん、みりん風調味料では含まれる糖の種類が異なるため、甘さにも差が生じます。

【砂糖の甘さを1とすると……】

  • みりん:0.4
  • みりん風調味料:0.6
  • ハチミツ:3

【同じ甘さの調味料の各分量】

ハチミツ大さじ1=砂糖大さじ3=みりん風調味料大さじ5=みりん大さじ6

 

なお、みりんには13%以上のアルコールが含まれますが、みりん風調味料にはほとんど含まれません。みりんに含まれる糖分は40%ですが、みりん風調味料には水飴などが添加されているため、糖分は55%以上になります。

 

基本のキホン、我が家の2色の「マルチだれ」

耐熱性の計量カップに本みりん75ccを入れ、ラップをしないで500Wで5分加熱すると、2/3に煮詰まって約50ccになります。我が家では、この「煮切りみりん」へ同じ分量(50cc)の醤油を合わせて、すべての味付けの基本にしています。筑前煮など、仕上がりに色をあまり付けたくない場合は薄口醤油を、照りを出したい場合は濃口醤油を合わせます。それぞれを「薄いマルチだれ」「濃いマルチだれ」と呼んでいます。「薄いマルチだれ」は、大さじ1杯で塩分1.5g、「濃いマルチだれ」は、大さじ1杯で塩分1.3gです。料理に応じて、そのまま使ったり、ショウガやニンニクなどの香味野菜を加えたり、ダシ汁で割ったりして活用しています。

 

マルチだれ活用その1:豚肉のクワ焼き

3人分で、ショウガ焼き用の豚肉250gと濃いマルチだれ大さじ2を、チャック付き保存袋へ入れて軽く揉み込み、冷蔵庫で15分ほど寝かせます。フライパンへ油を熱し、豚肉をタレごと入れて焼きましょう。軽く焼き目が付いたらひっくり返し、濃いマルチだれ大さじ1を足して絡めます。

マルチだれ活用その2:鶏ひき肉と夏野菜の袋煮

寿司揚げ(四角いもの)の1辺を切り開いて袋状にします。ボウルへ鶏ひき肉80g、小ネギみじん切り20g、おろしショウガ(チューブでも)2cmくらい、塩小さじ1/4を入れて練り合わせ、コーンと枝豆各20gを加えてさらに混ぜます。寿司揚げの中へ具を詰めて爪楊枝で止めて鍋に入れ、「薄いマルチだれ」50ccをダシ汁400ccで8倍に薄めて注ぎ、煮ていきます。付け合せのオクラは板ずりしてヘタを切り落とし、シイタケは薄切りにしておきます。10分ほど煮たら付け合せのオクラとシイタケを鍋に入れ、さらに5分煮て完成です。

マルチだれ活用その3:魚の煮付け

煮切りみりんへに同量の濃口醤油を合わせた「濃いマルチだれ」50ccを準備しておきます。平鍋かフライパンへ、薄切りまたはすりおろし(チューブでも)のショウガ少々、ハチミツ小さじ1、濃いマルチだれ50ccを酒250ccで6倍に薄めてを入れて火にかけ、沸騰したら魚を入れ、火を弱めてフタをして煮ます。8~10分したら一度裏返し、さらに10分程度煮て完成です。ハチミツの代わりに砂糖を使う場合は、砂糖大さじ1になります。今回は付け合せに、レンジ加熱したジャガイモとインゲンを煮汁に絡めて添えました。

 

めんつゆをベースにして作る「黒いドレッシング」

ご紹介した白黒のマルチだれ以外に、市販の調味料を使って作り置きしているドレッシングもご紹介します。黒いドレッシングは、市販のめんつゆ(3倍濃縮):酢:油を、2:1~2:1が基本のレシピです。酸味が苦手な人はお酢を控え目にすると食べやすくなります。また使用する酢を、レモン汁や100%グレープフルーツジュースに変えると全く別の味にアレンジできます。油をゴマ油、太白胡麻油、エクストラバージンオリーブオイルなどに変えれば、ここでも味の変化が付けられますので、お好みのものを使ってください。味のベースがめんつゆなので、サラダのドレッシングとしてではなく、そうめんのつゆにしても美味しくいただけます。

すし酢をベースにして作る「白いドレッシング」

白いドレッシングは、すし酢:油を、1:2~3が基本のレシピです。すし酢はすでに味を整えてあるので、ドレッシングのベースとしても使い勝手がいいです。油は太白胡麻油、エクストラバージンオリーブオイル、グレープシードオイルなど、色の付かないものをお好みで使うとよいでしょう。写真は千切りキャベツ、紫タマネギ、キュウリ、ベーコンで作ったコールスローです。

 

まとめ

改めて言うまでもないことですが、料理は科学です。材料に対する調味料の割合を間違わなければ、いつでも安定して同じ味付けの料理が作れます。含まれる塩分や糖分を計算して、ほかの調味料と置き換えていけば、料理のレパートリーを増やすこともできますよ。

 

 

まなさん(管理栄養士)

初めて包丁を握ったのは小学4年生。料理好きが高じて管理栄養士に。
主婦歴30年、得意分野は「オカンのメシ」。
大食いダンナと偏食息子のために日々料理を作る。
おしゃれな盛り付けとは生まれてこのかた無縁なのが少し悲しい。