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【不調の薬膳14】体スッキリ!溜まった熱・水を追い出す「レタス」料理

朝晩は暑さが和らいできましたが、残暑の疲れが抜けず体がスッキリしない方はいませんか。不要な「熱」や体に溜まった水分や湿度を排出する「レタス」なら、体バランスを調えてくれますよ。レタスの大半は良質な水分ですが、ほかに「カリウム」や「ビタミンC」、さらには「βカロテン」、「鉄分」も含むので、老化を予防したい女性はもちろん、屋外で汗を流したあとも他食材と一緒に取り入れたい食材の1つです。なお体を少し冷やすので(「涼性」)、冷えが心配な方にも安心な温かいメニューを中心にご紹介しますが、日頃から胃が弱いと感じる方は多食を控えるようにしましょう。

 

「胃にやさしい」レタス、消化吸収のよい鶏ササミのスープで

残暑による疲労が強く、胃腸にも弱りを感じるときは、消化にあまりエネルギーを使わない、スープ、お粥、卵豆腐などのメニューがおすすめです。レタスは五味の分類で「苦」と「甘」。不要な「水」を取り除いたり、悪い「証(しょう・反応や症状のこと)」を和らげる消炎作用で、体バランスを調整するのが特徴です。レタスをスープにする場合は、体質を選ばない「平性」の「鶏ササミ」や「エンドウ豆」、「枝豆」などの豆類、「山芋」や「ニンジン」といった滋養を補って体に力を付ける食材を煮込んで食べましょう。味付けが濃くなりすぎないよう、肉や野菜の旨味を大切にするといいですよ!

 

「プルプル」お肌に!レタス&「キクラゲ」の酢和え

細かくせずにざっくりちぎったレタスを、お酢で和えていただきます。「穀物酢」(あれば「黒酢」)を使えば、血液を浄化する作用や生活習慣病を予防できるほか、「酸」味の作用で「肝」に働きかけるので気持ちをスッキリさせ、のぼせ症状も和らげます。浄化(殺菌)や美肌の効果がより高いのは「黒酢」です。いずれのお酢でも、胃が弱い方は砂糖を加えて甘酢にして「酸」の作用を弱めます。食材に「黒キクラゲ」を加えれば肌乾燥を防ぎ、「白キクラゲ(銀耳、ギンジ)」なら肌に潤いを与えて肌理(きめ)を調えてくれますよ。海水浴でお肌ボロボロ……という方はぜひお試しください!肝機能が心配、手っ取り早く疲労を回復したいという方は高タンパクな「タコ」(「平性」)を加えましょう。

 

さっと炒めて疲れを取る!色鮮やかなレタス&パプリカ炒め

「疲労回復」や「美肌」効果を強めるため、レタスに加え、パプリカの力を借りたメニューです。パプリカはピーマンの倍以上の「ビタミンC」や「βカロテン」を豊富に含み、「免疫力」を上げる効果が高い食材です。加えて活性酸素を除去する作用も強めなので、「美肌」食材としても有名ですね。ヨーロッパでは焼きパプリカにしたり、火を通して食されています。薬膳で考えると「温性」食材なので胃に優しく、「心」に働きかけて、気持ちを落ち着ける作用も期待できます。「βカロテン」を摂りやすくするため、オリーブオイルなどの油で炒めて食べるのがおすすめ。「塩昆布」を使えば、「鹹」味の作用で腸の働きを良くし、海産物の旨味も摂れますね!

 

カレーの味付けも!お子さんやパパも喜ぶレタスチャーハン

レタスは、薬膳の本場・中国では、チャーハンでも分かるように火を通して食べます。チャーハンは、ハム、ウインナー、ツナ缶(マグロ、カツオ)、焼き豚(チャーシュー)など、手持ちの食材で手軽に作れて、お子さんやパパにも人気なのが嬉しいメニューですね。発酵食品の「塩麹」で味付ければ、まろやかな味になだけでなく、腸内環境を整えるので免疫力を上げます。代わりに「カレー粉」を使えば食欲を増進する効果が!水分バランスを調える「ちりめんじゃこ(シラス)」(【旬の薬膳13】ミョウガ×ゴーヤ炒めで紹介)をトッピングすると、「カルシウム」を補えてバランスが整いますね。デトックスして体の毒出しをしたい方は、「シメジ」などキノコ類を加えてください。体調に応じたいろいろな具材と合わせられるのも、チャーハンのいいところですね。

 

海藻類やキノコでデトックス、レタスは炒めたりアヒージョに

薬膳では、レタスには利尿のほか「補血」の作用があると考えるため、女性に嬉しい食材でもあるのです。レタスを「キノコ類」と併せ、炒め物やアヒージョ(煮込み料理)で食べれば免疫力が上がり、「海藻類」(「寒性」)を加えれば余分な熱を発散させます。「キノコ」は冬のデトックス&美肌に、鍋料理などで人気ですが、不要なものを体外へ排出したいときはいつでも食べてください。香り付けに「ニンニク」を使うと滋養強壮の作用がありますが、胃が弱い方は控えめにしましょう。代わりに「辛」味の「パセリ」を多めに散らして、「気」を循環させるのもいいですね!

 

【プチポイント】

残暑や夏休み中のお子さんの相手で疲れが溜まり、いまだに「だるさ」が抜けない方や、夏の長期休暇が終わって体を仕事のペースに戻すのが大変な方もいるかもしれません。何となく午前中は体が重いと感じる方は味噌汁やスープなど「温かい汁もの」を朝食へプラスしたり、体を軽く動かすのもいいですね。時間があれば香りの高いお茶もお試しください。摂り過ぎた脂肪は、お茶で流すこともできます。何を食べたらいいか迷ったら、旬の食材をバランスよく食べ「気」「血」「水」をうまく巡らせて体を楽にしていきましょう!

 

まとめ

「レタス」は料理の脇役のイメージがあるかもしれませんが、お伝えしてきたように栄養素が豊富で、体の「水分バランス」も調えてくれます。小皿の代わりにレタスへおかずを盛り付けて、そのまま食べればオシャレな食卓にもなります!さらに体に不要な、むくみの原因になる「水毒」を解消したり、「食物繊維」が豊富な点から考えるとダイエット中の方にも嬉しい食材です。ダイエットは、健康的に過ごすために必要な場合もありますが、行き過ぎると「気」を失い体調を崩しますので、食事制限は本当に必要なときだけにして運動も併用しましょう。季節は、過ごしやすく果物も美味しい、穏やかな秋へ移行しています。夏の疲れをリセットして、みなさんが充実して秋の日々を過ごせるよう願っていますね!

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。