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【マロンの見た男女の差9】夫が飲んベエでもいい子が育つ家庭の「共通点」

新宿2丁目BAR「まろん・ぐらっせ」のマロンが、酒と夜のおかげで心を開いてくれたお客様の本音話や、自分の経験をもとにみなさんのお悩みに独断と偏見で答えていくコーナーよ。今回は「飲んベエの旦那様」のお悩みね。いつも以上にお役に立てる答えを出せそうな予感がするわ。私自身お酒は飲む方だし、もちろんウチのお客様にも今回の相談者の旦那さんと似た方々が何人も来ているから、その辺の話も含めて話していくわね。「酒と泪と男と女」って曲があったけど、今日のお話は「酒と子供と旦那と奥さん」って感じかしらw。

 

家に帰らず飲んでいる夫、子どもが同じようにならないか心配

結婚して11年、小学校5年生を筆頭に3人の男の子がいます。主人は、仕事が好きで、子どもたちとも仲が良い、非常にいい夫なのですが、お酒の付き合いが大好きで、一度飲んでしまうと帰って来ません。仕事なのかお酒なのかは分かりませんが、週の半分くらい帰ってこないことも。夫そのものには、もはや呆れているのでいいですが、子どもたちが夫のようにならないようにするにはどうしたらいいでしょうか。子どもたちにとっては夫が普通なので、あれは普通じゃないと分かってほしいのです。かといって、切実に説明すると、私が夫を嫌いになりそうなので、困っています。(36歳・千葉県・女性)

 

気持ちは分かるけど、あなたの人生は親御さんの願いどおり?

飲んベエに限らず、お子さんに「○○みたいになって欲しくない」「○○みたいになって欲しい」って、親や周りがどんなに願っても、最後はお子さん次第。だってあなた自身、「あなたの親が願った大人になっているのかしら?」ってまず問いたいわ。いまの大人たちに「親御さんの願った大人になったか?」って聞いたら、多分ほとんどの人がなってないと思うのよね。

 

特に今回の場合「酒好きで何日も家を空けるような旦那みたいに、お子さんになってほしくない」って言ったって何年後の話なのかしら。今からあなたが切々と子どもに「お父さんは普通じゃないのよ」って言ったって、お酒も飲んだことがなくて、仕事もしたこともないお子さんからしたら「何のことやら?」だと思うわよ。それに飲んベエの旦那が、飲み過ぎて仕事をしないわけでも、お子さんに嫌われているわけでもないなら、なおさらよ。

 

あなたがどんなに切実に説明しても、ただの「母親の愚痴」にしか聞こえないと思う。最悪、父親の悪口を言ったがために、あなたが嫌われることになりかねないから気を付けてよ。そして今はそのときではないと思うわ。

 

立派なお子さんが育っている飲んベエ亭主の「家庭の共通点」

ウチに来るお客様のなかにも、「1度飲んだら家に帰らず」「週の半分以上飲んでいて」「お子さんがいる父親たち」が何人もいるから、その人たちの話をさせてもらうわね。その人たちの何人かは、お子さんが生まれる前から知っている長い付き合いで、私だって「こんな酔っ払いに子育てなんかできるの?大丈夫?」って昔は思っていたわよ。

 

でも結果的に、そのお子さんたちはみんな立派に育っていて、なかには子どもが成人したからってウチに飲みに連れてくる人も何人かいるの(年を感じるわぁ)。そしてそのお子さんたちは、驚くことにそろいもそろって皆何故かとても良い子に育っているの。そのうえ、若いのに考え方もしっかりしていて、頭も良いといった具合に、立派に育っていて本当いつも驚かされるわ、失礼な話だけどw。

 

「これは反面教師かしら?」とも思ったのだけど、そうでもない気がしたので、よく考えてみたら共通点があったのよ。その飲んベエのお父さんたちはみな、「仕事を人一倍する人たち」で「お子さんたちにも尊敬されていて」、聞いてみると「奥さんがお子さんに旦那さんの悪口を吹き込んでない」のよ。そりゃ、少しは言ってるんでしょうけどw。

 

この3つがそろえば、お子さんって父親が飲み過ぎて家を空けていようが立派に育つんじゃないかと私は思ったわ。「トンビが鷹を生む」なんて言ったもんだから旦那の方からは怒られたけど、「子育てって何が正解だか本当に分からない」っていつも思うの。

 

「帰って来ないほどお酒を飲む原因」を考えてみて

それから「帰って来ないほどお酒を飲む原因」について、ウチのお客様たちから見えることをお伝えしておくと、男性のお客様は、具体的な悩みの内容を人に話してストレスを発散しない人がほとんど。ウチには女性のお客様もいるんだけど、ここが男性と女性の大きな違いだと思うわ。

 

だから男性の場合、仕事やプライベートのストレスをどう上手に発散・解消するかが課題になるわけだけど、手っ取り早い方法がお酒を飲むことだと思うの。それも「その日のストレスはその日のうちに」が大切。それにストレスが多ければ多いほど、酒の量も増える傾向にあるわね。でもそんなだから、お子さんや家族に迷惑をかけず飲むとなると外で飲むのだろうし、ストレスが大きければ家に帰らないことにもなるのだと思うわ。

 

だから「男性」っていうのはこんなふうに不器用にバランスを取っている生き物だと理解してあげて欲しい。奥さんにも限界があるでしょうけど、旦那さんに対しても、今後お子さんが大人になってお酒を飲むときになっても、少し大目にみてあげましょう。もちろん健康を害するほどになってしまっては身も蓋もないから、そこは奥さんが手腕を発揮するところよ。酒も旦那も罪はないし、あとは奥さん次第ってことかしらね。「酒と泪と男と女」でも歌いながら上手くやりましょう!古いかしらw。

 

マロン

新宿2丁目Bar「まろん☆ぐらっせ」のオーナーママ。いろんな人と会い、ウンザリするほど人を見聞きしながら「まろん☆ぐらっせ」は20年、夜のお仕事に入ってからは30年近くになる。こんな自分の経験でも誰かのお役にたてればと思う今日この頃。座右の銘は「男は度胸、女は愛嬌、オカマは最強!」。