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【時短簡単バランスメニュー1 】栄養士が解説!バランス良い献立のルール

毎日作っている「食事」の栄養バランスやエネルギー量、自信がありますか?今回は「食事バランスガイド」を使った食事バランスのチェック法と、バランス食のお手本となる「一汁三菜」献立のポイントをご紹介します。ポイントを押さえていけば毎日細かく食事バランスを考える必要はなく、1周間単位で見ていくことで、無理なく続けていけますよ。バランス食の積み重ねが、将来の生活習慣病予防や健康にも繋がりますので、この機会にぜひ、ご家庭の食卓を振り返ってみて下さい。

 

「食事バランスガイド」とは?

厚生労働省と農林水産省から共同で発表された「食事バランスガイド」は、1日に何をどれだけ食べたら良いか?何をどれだけ食べているか?をチェックするもの。コマのイラストを用いて食事を5種類(上から主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)に分け、具体的な料理の「お皿」単位で必要量を示しているのが大きな特徴です。コマの回転軸は体に必要な水やお茶を表し、お菓子や嗜好品は「食生活に楽しみをもたらすもの」としてコマを回すヒモで表現されています。コマと言えば回転ですが、毎日の運動がコマの回転にあたり、栄養バランスの取れた食事と適度な運動が、健康な身体づくりに重要な要素だということも示されています。

 

「食事バランスガイド」見方と活用法

食事バランスガイドでは、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の料理区分ごとに「1つ(SV=サービング)」という単位を用いて、それぞれ1日に摂取する食事量の目安が示されています。そして食事の目安量は、性別、年齢、活動量によって変化します。まずご自身が必要な食事量を把握して、次に最近の食事内容を照らし合わせてみましょう。すると、食生活の問題点や改善すべき点に気付くはずです。厚生労働省ホームページに掲載されている「チェックブック」の13~20ページには、料理名ごとのSV単位がわかる一覧表が掲載されているので参照してください。

 

♢一日に必要なエネルギー量と摂取の目安(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/required.html

♢「食事バランスガイド」について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

 

日本の「一汁三菜」献立はバランス食のお手本

食事バランスガイドを活用してみると、日本の伝統的な食事形態である「一汁三菜」の献立は、栄養バランスが良いことに気付きます。一汁三菜がバランスがよいのには、以下のような理由があります。このポイントを知り、主食・主菜・副菜をそろえる献立を心掛けましょう。

 

【バランスの良い食事のポイント】

  • 主食や主菜は1食につき各1品
  • 大皿に盛るときは取り皿を用意し、1人分ずつ分けて適量を守る
  • 主材料を変える
  • 調理法や味付けが重ならないようにする
  • 料理の温度や食感を変える

 

実際に、一汁三菜献立のバランスをチェックしてみましょう

食事バランスガイドと、前の段落の献立写真で、実際に食事のバランスをチェックしてみましょう。主食は中盛りのごはんで1.5つ、副菜は野菜(カボチャ)の煮物(小鉢)で1つ、お浸しで1つとなり合計2つ、主菜は焼き魚で2つになります。汁物は具の種類によって、副菜にも主菜にもなるため注意が必要です。写真では大豆製品の豆腐と油揚げを使用しているため、主菜1つとカウントし、主菜は合計3つになります。この食事のバランスは適正範囲ですが、1日の残りの2食でコマのバランスを整えるためには、汁物の具材を豆腐と油揚げから野菜に変更した方が、無理なく良いバランスが取れそうなことが分かりますね。

 

「チェックシート」で、食事記録を実践してみましょう

厚生労働省のホームページ載っている「食事バランスチェックシート」は、ダウンロードして使用できます。このチェックシートを利用して、まずはご自身の1週間分の食事記録をつけてバランスを確認し、改善に役立てましょう。改善するときは、毎日細かく食事のバランスを考える必要はありません。一汁三菜の食事ポイントを踏まえて、1週間単位でバランスの取れた食事を心掛けることが、バランス食を無理なく継続していく秘訣です。

 

まとめ

特に食事バランスを気を付けたほうがよいのは、成人でBMIが25以上の方で、体重や腹囲の変化を確認しながら、コマのバランスが崩れないように注意しましょう。対象となる方は、ここまで説明してきた食事バランスのほか、菓子や嗜好品を控え、飲酒は適量を守り、21時以降の夕食量は軽めに、揚げ物や炒め物など油を使用した料理を控え、カロリーが低くビタミンやミネラルが豊富な野菜は積極的に摂るなど、摂取エネルギーと消費エネルギーとのバランスに気を付けるようにしましょう。

 

 

chika(管理栄養士)

小さな頃から食べることが大好きで管理栄養士の道へ。老人ホームでの献立作成、デパ地下のお弁当やお惣菜のメニュー開発、健康に関する保健指導をこれまで経験してきました。まだまだ勉強中の新米主婦ですが、みなさまのくらしに役立つ情報をお伝えできればと思っています。