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「野菜のレンジ加熱」は料理別の使い分けで、お料理がもっと美味しく!

野菜の下処理に便利な「電子レンジ」ですが、みなさんはどのくらい使いこなせていますか?今回は、電子レンジを使った「定番野菜の下処理法」をお料理の調理法別に2種類ずつご紹介します。同じ野菜でも、使う料理によって加熱方法を変えると、もっとお料理が美味しくなりますよ。加熱スピードが早いので、上手に使えば時短下処理ができる優れもの。電子レンジの加熱の特徴を知って、料理の下処理上手になりましょう。

 

電子レンジの特徴を知って、野菜の上手な加熱方法をマスター

電子レンジの加熱では、水分が蒸発しやすく、食品が早く温度上昇する特徴があります。そして加熱のときにラップをすると、水分蒸発を抑え、熱が逃げにくくなります。今回はジャガイモ、玉ネギ、ニンジンの3つの定番野菜について、それぞれ2つの加熱方法をご紹介します。切り方と加熱時間、水とラップの有無で、下処理の仕上がりが変わってきます。どの方法で加熱する場合も、火の通り方を均一にするには、食材の大きさをそろえるのがポイントです。

 

ジャガイモの加熱1:煮崩れ防止は皮を剥きカットして加熱

フライパンで炒めるジャーマンポテトや、煮崩れさせたくない煮物などは、皮を剥いてカットしてから電子レンジで加熱するのがおすすめです。カットしたジャガイモを電子レンジで加熱すると、中心部まで火が通っていても、表面は水分が抜けて固い状態になり、煮崩れしにくくなります。小さくカットしすぎると、水分が必要以上に蒸発してしまい美味しさが失われますので注意してください。

 

<方法>
ジャガイモの皮を剥き、8等分に切ります。耐熱皿へ広げ、小さじ1の水をジャガイモ全体に回しかけてください。その後、ラップをふわっとかけ、600Wの電子レンジで1分加熱します。

 

ジャガイモの加熱2:皮ごと加熱でホクホク!ポテトサラダに

ホクホクしたジャガイモを作るには、水分を残す加熱がポイントです。電子レンジは、食品の表面積が大きくなるほど水分が蒸発しやすいので、皮付きのジャガイモをカットせずに丸ごと加熱して、ジャガイモの中に水分を残しましょう。これで、ポテトサラダにピッタリのジャガイモになりますよ。

 

<方法>

耐熱皿に水で洗った皮付きのジャガイモを置きます。ラップをふわっとかけて、600Wの電子レンジで2分加熱しましょう。途中で上下をひっくり返すと全体に火が通ります。取り出す前には、竹串を使って中心まで火が通っているか確認してください。皮は熱いうちに剥きましょう。皮が剥きにくい場合は、スプーンでこそげように取ると、でこぼこしている部分も剥きやすいですよ。

 

ジャガイモのレシピ:混ぜるだけで簡単タラモサラダ

<材料>

  • ジャガイモ:中1個
  • タラコ:5g
  • マヨネーズ:7g
  • 長ネギ:適量

 

丸ごとチンしたジャガイモで作る、タラモサラダをご紹介します。皮付きのジャガイモを600Wの電子レンジで2分加熱します。熱いうちに皮を剥き、フォークなどで潰しましょう。冷めてから潰すと力が必要になるうえ、粘りも出てしまいます。タラコとマヨネーズを混ぜ、潰したジャガイモと和えてください。みじん切りにした長ネギを散らせば出来上がりです。おつまみにもなる定番タラモサラダは、サンドイッチの具にも合います。また、食パンにタラモサラダとチーズを乗せて、トーストにしても美味しいですよ。

 

玉ネギの加熱1:甘さのカギは水分蒸発!ラップはナシで

玉ネギには、辛味成分が多く含まれています。この辛味成分は加熱したり、水にさらしたりすると、玉ネギから抜けていきます。加熱した玉ネギが甘いのは、水分蒸発で辛味が抜けて甘味が凝縮されるからです。電子レンジで甘い玉ネギを作るときは、ラップをしないで水分を蒸発させることがポイント。ですので、甘い玉ネギを早く作りたい場合は、みじん切りにして表面積を大きくしましょう。

 

<方法>

みじん切りにした玉ネギ1個を耐熱皿へ広げます。ラップはしません。600Wの電子レンジで4分30秒加熱します。その後フライパンへ大さじ1の油を入れて、弱火で15分炒めます。最初は水分を飛ばすために混ぜすぎないことがポイントです。また炒め始めて10分を過ぎると、急に焦げやすくなりますので注意してください。

 

玉ネギの加熱2:クシ切り玉ネギは、ほしい食感で時間を調節

炒め物や煮物に使うクシ切りの玉ネギは、用途に合わせて電子レンジの加熱時間を調整しましょう。シャキッとした食感を残したい場合は短く、柔らかくして甘味を出したい場合は長く加熱します。みじん切りと同様に、ラップなしで加熱しましょう。

 

<方法>

クシ切りにした玉ネギ1個を、耐熱皿に広げます。ラップはしません。炒め物などで食感を残したい場合は、600Wの電子レンジで2分加熱します。火が少し通った状態で、その後フライパンで炒めてもシャキッとした食感が残りますよ。煮物などで柔らかくしたい場合は、600Wの電子レンジで4分30秒加熱します。

 

玉ネギのレシピ:レンジ加熱で時短、オニオングラタンスープ

<材料>

  • 玉ネギ:1個
  • サラダ油:大さじ1
  • 固形コンソメ:1個
  • 水:500ml
  • とろけるチーズ:1/4枚
  • 塩コショウ:適量


クシ切りにした玉ネギを600Wの電子レンジで4分30秒、柔らかく加熱します。フライパンへサラダ油を入れ、加熱した玉ネギをキツネ色になるまで炒めます。沸騰した湯に固形コンソメと炒めた玉ネギを入れて1分加熱しましょう。塩コショウで味を整えます。お皿にスープを注ぎ、チーズを乗せて完成です。

 

ニンジンの加熱1:少量を使うなら、輪切りでレンジへ

いろいろな料理に彩りを添えるニンジンは、火が通りにくい野菜ですね。輪切りニンジンを型抜きしたりして、飾りとして少量使いたいときは、電子レンジを利用すると便利です。今回はニンジン1本を厚さ5mmに切ったものを加熱していますが、量と切り方を変える場合は、レンジの時間を調整してください。

 

<方法>

ニンジン1本を5mm厚の輪切りにして、耐熱皿へ広げます。大さじ1の水を全体に回しかけ、ラップをフワッとかけます。600Wの電子レンジで1分40秒加熱し、全体をひっくり返して30秒追加で加熱します。電子レンジは、食品の下部分が加熱されやすいので、厚さのある物は、1度ひっくり返すと均一に加熱できます。

 

ニンジンの加熱2:細切りは、水分で焦げを防止!

和え物などに大活躍の細切りニンジンは、電子レンジを使うと早く火が通ります。電子レンジ加熱の場合、ニンジンの細切りと輪切りでは、表面積が大きい細切りの方が加熱されやすいので、細切りニンジンは水分が蒸発しすぎて焦げてしまうことがあります。必ず水を加えて加熱してくださいね。

 

<方法>

ニンジン1本を太さ2~3mmの細切りにし、耐熱皿へ広げます。大さじ1の水を全体に回しかけ、ラップをフワッとかけます。600Wの電子レンジで1分40秒加熱しましょう。炒め物に使う場合など食感を残したい場合は、加熱時間を短くしてください。

 

ニンジンのレシピ:細切りの和え物なら、あっという間に1品

<材料>

  • ニンジン:100g
  • 味噌:3g
  • ヨーグルト:7g
  • 白ゴマ:3g

 

ニンジンの細切りを、600Wの電子レンジで1分40秒加熱します。加熱している間に、味噌とヨーグルトを混ぜておきましょう。加熱したニンジンと、混ぜた調味料、白ゴマを和えて出来上がりです。短時間に簡単に作れるので、もう1品欲しいときなどにおすすめです。

 

まとめ

今回は、電子レンジ加熱の特徴を利用した、野菜の下処理法をご紹介しました。主に火の通りにくい野菜をご紹介しましたが、それ以外の大半の野菜にも応用できますよ。野菜の水分蒸発を考えて、水を加えたり、ラップをしたり、仕上がりを調整するようにしましょう。また電子レンジでの加熱は、火の通りが均一にいかない場合もあります。慣れるまでは、火の通りを竹串などで確認するようにしましょう。電子レンジ加熱のコツをつかんで、毎日の調理を時短してみてくださいね。

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。