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「育休が最大2年に」主婦800人の賛成・反対意見、働くママの苦悩が見える

現行制度で「育児休業」は最長1年半ですが、2017年10月から最長2年までの延長が検討されています。今回は、主婦800人に「育休延長の賛否」を聞いた調査結果をご紹介します。育休期間を延長できることへの賛否の声には、どちらも働く女性の切実な思いが表れました。

 

育休の最大2年延長、過半数が「賛成」

ビースタイルが運営する主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」の調査機関「しゅふJOB総研」が、「育児休業の期間延長」について、ユーザー801名へ「政府が育児休業期間を最大2年までの延長を検討していること」への賛否を聞いたところ、54.4%の人が「賛成」していることが分かりました。一方、「反対」している人は13.1%に留まりました。

 

賛成派の理由「長く子育てに専念」や「保育所の問題」

育休の延長について「賛成を選んだ理由」を尋ねると、「延長したぶん、長く子育てに専念できる」が77.5%と最も多く、続いて「保育所に入所できる可能性が高まる」の51.1%という結果に。具体的なコメントでも、長く子育てに専念できることへのメリットや保育所への入所のしやすさに期待する声のほか、子育てに幅広い選択肢ができることなどが挙がりました。具体的なコメントを1部ご紹介します。

 

・長く子育てに専念できる

「初期にお母さんとの健全な愛着形成されると子どものメンタルが強くなる(40代・子どもナシ)」
「子育て中にしか体験できないことを、多くの方に体験してほしい(40代・子どもアリ)」
「2才までは病気がちで頻繁に休むのは仕事もやりづらく、病気のときこそ子どもも親にそばにいてほしいはず(40代・子どもアリ)」

 

・保育所への入所

「保育園の激戦区が沢山あるから、こんな配慮は配慮じゃなくて当たり前の話(40代・子どもアリ)」
「実際、保育所に入れなくて困っている声をよく聞く(30代・子どもナシ)」
「ブランクは、キャリアに響くと思うが、預け先が確保できないことには復帰も難しい(40代・子どもアリ)」

 

・子育てのスタイルに選択肢が増える

「選択肢の幅が増えることは良いこと(30代・子どもアリ)」
「長く休む人やすぐ戻る人などいろんな人がいて良い(40代・子どもアリ)」

 

延長反対派の理由は「復帰しにくい」「歓迎されない雰囲気」

一方、「反対を選んだ理由」を聞いてみると、最も多かった理由は「時代の変化が早く、スキルが追い付かなくなる」で61.0%、「2年も仕事を離れるとポジションがなくなる」の44.8%が続く結果に。2年間のキャリアブランクによって、現場へのスムーズな復帰を心配する声が多いほか、延長しても保育園には入れないという切実な現状がうかがえます。また反対派からは、育休を取っている人の穴埋めで周りが苦労するといった厳しい声も。

 

・スムーズな現場復帰に不安

「2年も延長したら会社にとって不要だということが露呈する(40代・子どもナシ)」

 

・保育所への入所

「保育園に入れない(30代・子どもアリ)」
「2才児は保育園に入るのに精神的に子どもの負担が大きく、0才児から入れた方が子どもは馴染みやすい(40代・子どもアリ)」

 

・育休の穴埋めで周りが苦労する

「1年育休とって戻ってきたら1年もしないうちにまた育休を1年を取られ、そのフォローで大変苦労した(50代・子どもアリ)」
「その間誰かに迷惑が必ずかかっている(40代・子どもナシ)」
「2年も休んで、時短で戻ってこられても歓迎できない。結局、穴埋めをしなければならないのは不公平(30代・子どもナシ)」

 

育休の延長だけなく、さまざまな面からフォローが必要

育休が延長できることで保育園の待機児童問題がクリアになるかというと、実際には、0歳クラスから1歳クラスへの進級時に定員が増える保育園は多くありません。制度として育休を延長できるようになっても、実際に2年休業することで職場へ迷惑がかかるのでは、と取得を思い留まってしまうのでは本末転倒。引き続き、待機児童の解消はもちろん、パパの育児協力を積極的に促したり、会社が同僚への負担を減らしたりといった、さまざまな面からフォローが必要な問題と言えそうです。

 

◇【しゅふJOB総研】 雇用保険法改正! 育休延長2年、賛成過半数 働く主婦に聞く、育児休業期間延長についてどう思う?~しゅふJOB総研調べ~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000003176.html

 

qufour(クフール)編集部

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