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親の免許の「自主返納」、子どもができる「衰え測定チェックリスト」

親が運転する車に乗っていて、運動能力や注意力が落ちたと感じたことはありませんか?今回は、「親に運転をやめてほしい年齢」などの調査結果と、「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」をご紹介。2017年3月12日に「改正道路交通法」がスタートし、高齢者の認知症対策が強化されることになりましたが、まだまだ高齢者による自動車事故は多いのが現状。免許の自主返納タイミングなど、自分の親が事故の当事者になる前に親子で話しておきたいテーマですね。

 

親の運転にヒヤリ、30代で3割、40~50代で4割以上

サンケイリビング新聞社が、女性のための生活情報誌「リビング新聞」で行なった「自動車運転免許の自主返納について」のアンケートで、「親の運転にヒヤリとした経験」について尋ねたところ、全体で36.5%の人が経験したという結果になりました。子どもの年代別に見てみると、40代が45.8%と最も多く、次いで50代が42.3%、30代が33.3%となり、高齢の現役ドライバーを親にもつ年代を中心にヒヤリとしたことがあるようです。

 

親に70歳を超えたら運転をやめてほしい人は9割以上

次に「親にいくつで運転をやめてほしいか」を聞いてみると、「70~74歳」と回答した人が29.5%と最も多く、続いて「80~84歳」の28.1%、「75~79歳」の27.4%となりました。70歳を過ぎたら親に運転をやめてほしい人は、実に9割を超える結果です。

 

運転免許証を返納すると「買い物」「病院」に困る、4割以上

さらに全員に「運転免許証を返納して困ること」を尋ねたところ、1位は「買い物に行けない(45.9%)」、2位は「病院に行けない(44.6%)」となりました。運転免許証の自主返納後に申請するともらえる「運転経歴証明書」は、身分証明書として利用できるほか、公共交通機関やタクシーの割引、商業施設のサービス割引などが受けられます。でも実際には、自分で車を運転しないことで、自由な移動は制限されてしまうことから、日常生活が不便になるケースが多そうです。

 

親と自主返納について話すときのネック、切実な声いろいろ

自主返納を勧めるとき、どんなことに気を付けばいいのでしょうか。「高齢になった親と自主返納について話すときにネックになること」について寄せられた回答を1部ご紹介します。

 

※( )は回答した子どもの年齢

・年を取って頑固になり自分の能力を疑わない。「いざというとき」を理由に
 月に1、2度しか運転しないが免許はなくしたくないという(51歳)
・返納の話をして以来、不仲。絶縁状態になっている(60歳)
・運転は生き甲斐だから、やめられないという(61歳)
・言うことを聞かない。84歳での更新はしないと言っているので、本当にそうしてもらいたい(55歳)

 

親からすれば、今まで車に乗ってきて問題がなかったことへの自信や、加齢を考えたくない気持ちもあるでしょう。親の気持ちに寄り添いながら、話をする必要がありそうです。

 

「キーや免許証を探す」「駐車位置を忘れる」があったら注意

リビング大阪Webでは、運転するときの行動の変化から認知機能を確認する「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」(特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会提供)を公開しています。チェックリストは、「車のキーや運転免許証などを探し回ることがある」「駐車場で自分の車を止めた位置が分からなくなることがある」「運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった」など30問から構成されていて、5つ以上当てはまったら要注意だそう。自主返納の話しのきっかけに、家族でチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

◇「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」(特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会提供)
http://r.living.jp/mrs/osaka/0422drive

 

親が元気なうちに話しておきたい運転寿命

高齢ドライバーの自動車事故があとを絶ちません。アクセルとブレーキの踏み間違いや、視野が狭くなったり耳が遠くなったりと体の機能の衰えは避けられません。一方、地方では生活インフラとして自動車運転は欠かせないため、簡単に免許を返納できないことも悩むところです。qufour世代の親御さんはまだ現役ドライバーの方も多いと思いますが、親が元気なうちに1度、いつまで運転するのか運転寿命について話をしておくのも良いかもしれませんね。

 

◇40代ミセスの45.8%が親の自動車運転にヒヤリ! 運転時認知障害早期発見チェックリストを掲載(サンケイリビング新聞社)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000187.000005157.html

 

qufour(クフール)編集部

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