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【和菓子歳時記21】「端午の節句」「初節句」お祝いの和菓子と熨斗書き方

ゴールデンウィークに、「こどもの日」や「初節句」をお祝いする人もいるのではないでしょうか。今回は「端午の節句」の由来や、お祝いのお菓子を紹介します。節句のお祝いに家族で食べたり、「初節句」の内祝いでお返しを選ぶときの参考にしてみて下さいね。和菓子では「柏餅」などの伝統的な「端午の節句の和菓子」を詰め合わせにしたものを、内祝いギフトやお土産にする方も多いですよ。

 

もともとは、季節の変わり目の穢れ払いだった「端午の節句」

「端午の節句」は古代中国から伝わり、春から夏への季節の変わり目の5月の午の日に、薬草の「菖蒲(しょうぶ)」を使って、軒先へ吊るしたり、「菖蒲」を浸したお酒を飲んだりして、病気の予防や穢れ払いをする節句でした。鎌倉時代ごろから「菖蒲」が「尚武」や「勝負」と同じ読みであることから、男児の成長を祝い健康を祈る行事に変化していきました。現代の日本では、ゴールデンウィークと重なるため、帰省を兼ねて実家や本家で「節句」をお祝いする人も多く、和菓子店ではお祝いのお菓子や、内祝いギフトのご注文が多くなります。

 

今と昔とでは異なる、「端午の節句」の和菓子と内祝いギフト

「端午の節句」と言えば柏の葉を巻いた「柏餅」と、モチ米やうるち米の粉を練って竹皮で包んで蒸した「粽(ちまき)」がポピュラーですが、モチ米を竹皮で包み灰汁で茹でる「あく巻き」や、小麦粉の蒸しモチ「イバラ餅」など、全国には「端午の節句」に食べる多様な和菓子が存在しています。また昭和に入ると「初節句」の内祝い用として「節句用式菓子」と呼ばれる鯉や兜の形をした大型でリアルな形の練切や、羊羹でできたの上生菓子が重宝された時期もありましたが、生活様式や嗜好好の変化によって、現在では少なくなっています。

 

「端午の節句」の内祝いに生菓子を使うには?熨斗は?

現代の「初節句」の内祝いギフトは、「柏餅」などの生菓子や茶席上生菓子の詰め合わせのほか、日持ちの良い焼菓子などが人気です。生菓子を用意するときは、消費期限が短いものが多いので事前にお店に注文し、渡す当日に準備してもらうようにしましょう。熨斗(のし)は「初節句」や「内祝い」で子どもの名前を入れます。熨斗の書き方は、地域によって違いがあるので、実家やお店に相談して確認するようにしましょう。

 

まとめ

伝統的な祝いごとでは、用意するお祝いの品やお返し、熨斗などで、迷うことがありますよね。お店によっては事前に相談すると、特別な熨斗やラッピングなどのサービスをしてくれることもあります。地域のお店に気軽に相談してみてくださいね。

 

 

石原マサミ(和菓子職人)

創業昭和13年の和菓子屋・横浜磯子風月堂のムスメで、和菓子職人です。季節のお菓子や、和菓子にまつわる、歳時記などのご紹介を致します。楽しく、美味しい和菓子の魅力をお伝えできたら、嬉しいです。石原モナカの名前で、和菓子教室も開催中。ブログはこちら