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先輩に聞いた「選びたいお墓」「希望の葬儀」など、知って今後の参考に

お墓や葬儀などを自分で決める「終活」は、まだ先の話と考えている人も多いのでは?今回は、保険クリニックが40~60歳の男女300人へ聞いた「お墓購入」「誰とお墓に入りたいか」「希望の葬儀」の調査結果をご紹介。40~60歳という年代になると、両親の葬儀やお墓の準備を通して自身の「終活」を考え始めることが多くなるといいます。時代とともに変化している冠婚葬祭の形ですが、少し上の年代の人たちの「葬」に対する考え方は、今後の参考にもなるので知っておくといいのでは。

 

「配偶者と同じお墓に入りたくない人」、女性の1/3

保険ショップの「保険クリニック」が、40~60歳の男女300人へ「お墓や葬儀の形態」について実施したアンケートで、「配偶者と同じお墓に入りたいか」を尋ねたところ、全体では76.3%の人が「入りたい」と回答しました。また、「入りたくない」と回答した人を男女で比べると男性が14.7%なのに対し、女性は32.7%と倍以上の差が開きました。それぞれの理由として次のような声が挙がりました。

 

【入りたい/男性】
「夫婦だから」「お墓代がもったいないから」「看取ってもらいたいから」

【入りたい/女性】
「ずっと一緒がいいから」「仕方ないから」「お墓があるから」

【入りたくない/男性】
「お墓はいらないから」「相手が嫌がっているから」

【入りたくない/女性】
「遠いから」「死んでまで同居したくないから」「実家のお墓に入りたいから」

 

お墓の準備、「考えていない」が半数近く

前の質問で「配偶者と同じお墓に入りたい」と回答した458人へ「お墓は準備しているか」を聞くと、最も多かったのは「考えていない」で45.4%となりました。またお墓をすでに準備している人は約4割で、「先祖代々のお墓に入る」人が39.5%、「配偶者と入るお墓を予約・購入した」人が6.1%、「配偶者と入るお墓を予約購入する予定」が9.0%となりました。

 

お墓の購入額、購入済みと未購入で2倍にも

続いて「配偶者と入るお墓を予約・購入した」または「する予定」と回答した人へ「お墓の購入金額」を尋ねると、最も回答数が多かったのは、すでに予約や購入をした人が「200万円」、これから予定している人が「100万円」と、その差は2倍。平均値についても、すでに予約や購入をした人が「約223万円」、これから予定している人で「147万円」と約76万円の差が生じました。

 

一緒にお墓へ入るなら「直系家族」、埋葬希望ナシも半数超

次に、最初の質問で「配偶者と同じお墓に入りたくない」と回答した142人へ「誰とお墓に入りたいか」を聞いたところ、「お墓への埋葬を希望しない」と回答した人が最も多く、男性で約7割、女性で約5割を占めました。一緒に入る相手は、「自分の先祖や両親」や「子ども」といった直系血族と一緒に入りたい人が多い傾向がありました。また「子ども」という回答は、男性には見られず、女性で約8%という興味深い結果が明らかになりました。

 

希望のお墓、「霊園・共同墓地」が約半数

「配偶者と入るお墓を予約・購入した(する予定)」と回答した人と、「自分の先祖以外の誰かとお墓に入りたい」と回答した合計105人へ、「希望するお墓(のタイプ)」を聞いたところ、全体では半数近くの48.6%が「霊園・共同墓地」と回答しました。また、都心などで増加している「タワー墓地・納骨堂」と回答したのは、「配偶者と入るお墓を予約・購入した」という人では0人だったのに対し、「自分ひとりで入りたい」という人では9人で、約半数が希望する結果となりました。

 

お墓以外の埋葬、1番人気は「散骨」で8割超

「配偶者と同じお墓に入りたくない」うえ、「お墓への埋葬を希望しない」と回答した人へ「希望の納骨方法」尋ねると、最も多かった回答は「散骨」で67人となりました。また、墓石の代わりに樹木や花を墓標にした「樹木葬」は、女性から人気が高く、遺骨を土に還す自然志向が受け入れられているようです。

 

お墓を託すなら「子ども」が6割、「配偶者」は男女で差

600人全員へ「お墓を託せる人がいるか」を尋ねると、男女ともに「子ども」が最も多く全体の約56.8%を占めました。一方、「いない」という人は男女合計で101人(約16.8%)と全体の2割弱となりました。また、「配偶者」という回答は男女で大きな開きが出ていて、男性が98人に対し、女性は51人で、女性の平均寿命がより長い(※)ことが関係していると推測できます。

 

※平均寿命:男性80.75歳、女性が86.99歳(厚生労働省「第22回 完全生命表」、2017年より)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/22th/

 

葬儀は「家族葬」希望が半数以上、簡素化の傾向へ

次に全員へ、「どんなお葬式をしたいか」を聞いたところ、家族やごく親しい人たちだけで行う「家族葬(323人)」が全体の半数以上を占める結果に。続いて、お葬式をせずに火葬のみの「直葬(94名)」、「一般葬(87名)」の順になりました。2015年に行なった調査(※)の順位と比べると、1位は変わらず、2位の「一般葬」と3位の「直葬」の順位が入れ替わり、より簡素化された「直葬」を希望する人が増えたと言えるでしょう。

 

※2015年8月調査 40歳以上の男女各250名

 

希望の葬儀スタイルは簡素化に加え、低コスト化の傾向

希望の葬儀ごとに「費用はいくらを想定しているか」を尋ねると、最も回答の多かった「家族葬」は平均で約88.2万円となり、「一般葬」の約138.9万円より約50万円低いことが明らかになりました。葬儀の内容が簡素なだけでなく、低コストで済ませられるイメージもあるために、従来の「一般葬」以外の葬儀スタイルが選ばれているようです。

 

「戒名」「法要」「香典」も、半数以上が「省略OK」

全員へ葬儀や埋葬に関連して、「省略していいと思うもの」を聞いたところ、「省略して良いものはない」と回答した人は12.8%に留まりました。省略していいと考えられているのは、具体的には「精進落とし(60%)」、「白木位牌:仮位牌(59.0%)」、「戒名(54.2%)」が上位となり、続く「お勤め・法要・法事」「香典・香典返し」についても、半数以上 の人が「省略してもいい」と思っていることが分かりました。

 

お墓や葬儀の希望はあっても「何も準備していない」人が9割

全員へ、お墓や葬儀について実際に「準備をしているものがあるか」を尋ねたところ、約9割の人が「何もしていない」と回答。自身の「終活」へ希望はあるものの、その準備や家族への意思表示などは十分行なわれていない現実が浮き彫りになりました。しかし、1割の「準備している」人のなかには、「お葬式プランやお墓の予約・購入をした」上、「エンディングノートを書いた」という人も。

 

まとめ

3割もの奥さんが「夫と一緒のお墓に入りたくない」と回答したことに驚いた人もいるのではないでしょうか。理由を見ると、夫は「夫婦だから」や「何となく」と深く考えずに同じお墓に入ることを慣例として捉えているのに対して、妻の「死んでまで同居したくない」「実家のお墓に入りたい」という、現在の生活での切実な本音がにじみ出ているのがよく分かります。ちょっと先を行く先輩ママの声を頭の片隅に置きながら、長い夫婦生活のなかで積もり積もった思いが「終活」で爆発しないように気を付けたいものですね。

 

◇一般葬より直葬、戒名は不要……お墓事情の最新版!「夫と同じお墓に入りたくない妻」は、「そもそもお墓に入りたくない人」だった!?(保険クリニック)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000382.000001256.html

 

qufour(クフール)編集部

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