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ネームラベルにも!「ネーム&ワンポイント」刺しゅうをマスターしよう

「刺しゅう」というと、手芸のなかでも少し難しいと感じるかもしれませんが、作業自体はとても単純なのですよ。今回は、簡単なステッチによる「ネーム&ワンポイント」刺しゅうのやり方とコツをご紹介します。名前を刺しゅうするのにピッタリな「バックステッチ」、シンプルなイラストに使える「レゼーデージーステッチ」「フレンチノット」の刺し方に加え、刺しゅうした布をネームラベルに仕立てるところまで解説しますよ。刺しゅうが初めての人でも、ぜひトライしてみてくださいね。

 

準備1:用意するもの

・刺しゅうする布
・刺しゅう糸
・刺しゅう針
・糸切りバサミ
・(あれば)刺しゅう枠
・チャコペン

 

布は、クッタリした化繊よりも、綿や麻などのしっかりと目が詰まった、伸縮性のない布が刺しやすく、ラベルにするときにもアイロンが効きやすいので上手に作れます。また、厚すぎず薄すぎない布が向いていますよ。今回はダイソーで売られていたカットクロスを使っています。
刺しゅう枠は、なくてもできますが、あれば布をピンと張った状態で刺せるので、布が引きつれず美しく仕上がります。
チャコペン(写真右)は、先の細いペンタイプが使いやすいですね。水で濡らしたり、時間が経つと消えるタイプなら、安心して使えます。

 

準備2:刺しゅう糸の扱い方と、刺しゅう針への通し方

刺しゅう糸は、通常6本の糸が撚(よ)り合わさっています。使うときは、必要に応じて数本を抜き取ります。少ない本数だと細く、多い本数だと太い縫い目になります。今回、名前の部分は2本どり(2本使用)、イラストの部分は模様によって2本~6本どりにしています。

 

本数が多いと、刺しゅう針の穴へ通しにくいので、少々コツが必要です。まず、針へ刺しゅう糸を掛け(写真1)、糸の上から指で強めにつまみます。このとき、糸を少し下方向へ引くように引っ張り気味にしましょう(写真2)。指を緩めると、刺しゅう糸が平らに折れ曲がっているので、その部分を針穴へ通します(写真3)。糸が2重になった部分をを完全に針穴へ通して出来上がりです(写真4)。糸の片端は玉結びをしておきましょう。

 

刺しゅう枠のはめ方・バックステッチの縫い方1

刺しゅう枠を使う場合は、商品の取扱説明書に従いましょう。写真の物は、ネジの付いている「外枠」と、何もついていない「内枠」があり(写真1)、内枠の上へ、枠より一回り大きく切った布をかぶせ、上から外枠をはめて、ネジでしっかり留めます。布を少し引いてピンと張ったら準備完了です(写真2)。

 

次は、ネームを刺しゅうするのに向いている「バックステッチ」の縫い方です。刺しゅう糸を刺しゅう針へ通し、玉結びをしたら、布の裏から針を出します(写真3)。糸を全部引いてから、1針分右へ戻った場所へ針を入れます(写真4)。

 

バックステッチの縫い方2

針を入れたら糸を全部引き(写真1)、同様に1針分左へ行ったところへ針を出します(写真2)。前に縫った針目の際へ針を入れ(写真3)、糸を全部引きます。同様に縫い進めていきます。


「本返し縫い」と同じような針の進め方ですが、本返し縫いは布をすくうように縫い、バックステッチは針を入れる・出すごとに針を布から抜いて、糸を全部引くところが異なります。こうすることで、針目がゆがまず、美しい刺しゅうになります。

 

バックステッチで「名前」を刺しゅうしよう

文字を刺しゅうする前に、芯の細いチャコペンなどで丁寧に下書きしましょう(写真左)。バックステッチで刺しゅうしていきますが、次の文字に移るときに、一旦糸を切る必要はありません。糸の長さが十分にあるなら、続けて次の文字も縫いましょう。曲線部分は針目を細かくすると、美しい曲線が縫い上がりますよ(写真右)。縫い終わりは裏で玉止めをして、糸を切っておきましょう。

 

バックステッチとフレンチノットで「魚」を刺しゅうしよう

魚の輪郭は、青い刺しゅう糸4本どり、バックステッチで刺しゅうしました。目の部分は「フレンチノット」というステッチを使います。黒い刺しゅう糸を2本どりで使っています。まず、目の部分へ裏から針を出し、糸を全部引きます(写真1)、糸の根元へ針を当て、布から出ている糸を、玉止めの要領で2回巻き付けます(写真2)。巻き付けた部分を指でそっと押さえながら糸を引くと、ノット(結び目)ができています(写真3)。ノットのきわへ針を入れ、裏で玉止めをして糸を切ります(写真4)。

 

写真2で針へ巻き付ける回数を多くすると、ノットが大きくなります。巻きつけた糸から針を抜くときに、ノットの位置がずれないように指で押さえるのが、きれいに作るポイントです。

 

レゼーデージーステッチとフレンチノットで「花」を刺しゅう

「レゼーデージーステッチ」は、花びらのようなかわいらしいステッチです。今回は、花びらのふっくらした様子を出すために、ピンク色の刺しゅう糸を6本どりで使いました。

 

最初に、1枚の花びらの根元から針を出し(写真1、1出)、糸を全部引いたら、針を出した場所のすぐ左側へ針を入れます(写真1、2入)。その針を、花びらの頂点部分へ出し(写真1・3出)、布から出ている糸を針の周りにぐるりと左方向へ1回巻きます(写真1)。そっと針を抜き、糸を引くと、花びらのように糸が楕円を描いています(写真2)。次に、花びらの頂点の部分で、糸の外側のきわへ針を入れ(写真3・4入)、糸を引けば、花びらの出来上がりです。同様にほかの花びらを刺しゅうし、裏で玉止めをして糸を切ります。最後に、真ん中へ黄色い刺しゅう糸で、フレンチノットを刺しゅうすれば完成です。

 

ネームラベルを作ろう

刺しゅうした布を使って「ネームラベル」を作りましょう。まず、ラベルの輪郭線をアイロンで山折りにします(写真1)。次に、アイロンの折り目から5~8mmほど外側を、布用ハサミで切ります(写真2)。折り目をもう1度、アイロンでしっかり折り込めば、ラベルの出来上がりです(写真3)。ミシンまたは手縫いの「たてまつり縫い」などで縫い付けましょう。

 

(参考)ゼッケンやアップリケ付けに!「たてまつり縫い」の縫い方とコツ
URL:https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162516.html

 

上手な刺しゅうのポイント

バックステッチは、下書きの通りに針を出し入れするだけですが、ほんの少しのゆがみが全体の仕上がりに影響するので、1針1針丁寧に刺していきましょう。糸を強く引きすぎたり、反対に緩すぎたりすると、きれいなステッチにならないので、均一な引き具合にするといいですね。

 

慣れないうちは上手にできないかもしれませんが、それも手作りのよさ。楽しく練習しているうちに、コツがつかめてきますよ。世界でたった1つの、素敵なネームラベルを作ってあげてくださいね。

 

 

nontroppo

ライフオーガナイザー。ズボラでも簡単にすっきり暮らすための収納や、生活の仕組み作りを模索中。
料理、お菓子作りのほかに、洋服やインテリア小物なども手作りするのが好きです。
高校生の息子の母です。