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【始めよう薬膳レシピ20】カッカしやすい方に「イライラ緩和オムレツ」

連休が多く、行事が目白押しの10〜11月ですが、忙しいとカッカしてしまう方もいるかもしれませんね。今回はエネルギーを補給する「」と、イライラに効く「トマト」を使った、オムレツのレシピをご紹介します。「トマト」は、消化をサポートしてくれるので、朝ごはんにいただくと、胃腸がしっかり働きます。このレシピなら、トマトの栄養素「リコピン」をしっかり吸収できるため、健康が気になる方にもおすすめですよ!

 

「イライラ緩和オムレツ」の食材効果

今回ご紹介するのは、含まれている栄養素のバランスが良い「」と、酸味が爽やかな「トマト」を組み合わせた、トロッとした食感が美味しい「イライラ緩和オムレツ」のレシピです。

 

薬膳で「」は、「甘」味という分類なので、「気(エネルギー)」を補って疲れを和らげたり、心身の緊張を解く作用があります。また五臓の「脾(ひ)」や「胃」への作用が穏やかで、消化も良いのが特徴です。

 

「トマト」は、五臓の「肝(かん)」と関わりがあり、解毒作用が働くため、アンチエイジングや健康促進を期待できるほか、イライラも和らげます。のぼせやすかったり、カッカしがちな方は、体内熱を調整したり、適度な「水(水分)」を補えるトマトを、上手に使ってみましょう。

 

「イライラ緩和オムレツ」の材料(2人分)

トマト:中2個(お好みで増減可)
オリーブオイル:適量
ハーブソルト(ハーブやスパイスをミックスした調味料):適量(なければ塩コショウで代用可)
卵:3個
牛乳:大さじ2~3(なくても可、お好みで)
バター:適量
塩:少々
コショウ:少々

 

「イライラ緩和オムレツ」の作り方

1.トマトは、クシ形に切ってから一口大に切り分け、オリーブオイルを熱したフライパンで、ハーブソルトを振って加熱し、味を馴染ませます。ある程度水分を飛ばしたら、お皿へ盛り付けておきます
2.次にボウルなどで全卵を溶いて、塩、コショウを振り、お好みで牛乳を加え、さっくり混ぜ合わせましょう
3.先ほど使ったフライパンの水分をキッチンペーパーで拭き取り、中火で熱し、バターを溶かしたら、卵液を回し入れます
4.卵液が半熟になってきた部分を、菜箸で混ぜるように中央に寄せたら火を弱め、フライパンを動かして、まだ固まっていない卵液をフライパンの底面に広げます。手前と向こう側の卵を交互に中央へ折り、揺すりながら全体の形を整えましょう
5.トマトの隣に、オムレツを盛り付けたら完成です

ハーブソルトがないときは、塩、コショウで味付けし、お好みでバジルを散らしたり、乾燥ハーブを使いましょう。粉チーズを振り掛けても美味しくいただけますよ!

 

また「青ジソ(紫蘇)」が手に入りやすい時季は、細かく刻んだものを卵液に混ぜ合わせてから調理すると、気持ちが落ち着きます。

 

薬効1「卵」

薬膳で「」は、心身を活性化する食材で、活力切れを補う食材の1つとして、【不調の薬膳7】でもご紹介しています。また「ごはん(白米)」と同じく、万能栄養食に位置付けられ、ごはんと同じでどの体質の方も食べやすい食材です。薬膳や東洋医学では、体に倦怠感やだるさ、冷えを抱えた状態を「虚(きょ)」と呼びますが、卵はそうした「虚」の反応や症状を和らげて、体を元気にしてくれますよ。

 

卵を使った薬膳のレシピではほかに、疲れを取りやすい「ヤマイモの卵焼き」(【始めよう薬膳レシピ6】)を紹介していますので、気になった方は参照してみてくださいね。

 

薬効2「トマト」

「トマト」は、消化力を促したり、「熱」を冷ます力があるため、食欲がないときはもちろん、夏バテ解消にも役立つ野菜です。ですので、冷えが心配なときは、冷蔵庫で冷やしたものを食べ過ぎないようにしましょう。また中国では、血流に関係する食材とされるので、高血圧対策に用いられるそうですが、この点は日本でも同じですね。

 

◇トマト漿液に血糖値や血圧の上昇を抑制する効果を確認(カゴメ株式会社総合研究所)
http://www.kagome.co.jp/company/news/2011/000103.html

 

トマトは加熱して食べるとお得?

「トマト」の栄養素といえば、「リコピン」が有名です。「リコピン」は紫外線によるシミを抑制するなど、美肌効果を期待できるので、お肌の調子が気になる方にぴったりですよ。もうひとつ、体に溜まった活性酸素を除去するパワーもあるため、生活習慣病を予防したい方や、美魔女願望がある方にもおすすめです。

 

トマトの「リコピン」は、下のURLの通り、油や熱を加えると、体内に吸収されやすいことが分っているため、生食よりも、今回のようにフライパンで炒めたり、スープにすると、より吸収が高まります。また「トマト」は前述のとおり、体内熱を調整する働きがあるので、のぼせ体質の方で、寒い時季でも体から熱が抜けにくく、夜眠りにくいと感じるときは、夜ごはんのメニューへトマトを入れてみるといいですよ!

 

◇トマトの加熱調理により、リコピンの体内への吸収・蓄積が増加することを確認(カゴメ株式会社総合研究所)
http://www.kagome.co.jp/company/news/2011/000032.html

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。