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乳幼児「スマホ利用」拡大中!代わりに減ったのは?【4年前調査と比較】

「子どもの相手をスマホにしてもらう」こと、ありますよね。今回は、乳幼児の母親3,400人へ聞いた、子どものスマホ使用頻度と、テレビやDVDなどの接触時間の変化に関する調査結果を紹介します。私たちの生活に浸透したスマホやタブレットですが、子どもの使い過ぎを防ぐために、さまざまな工夫や気を付けることがあるようです。

 

母親のスマホ保有率は9割以上、前回調査から1.5倍

乳幼児がいる家庭のメディア保有率(経年比較、複数回答)
*1 家族がそのメディアを所有する割合
*2 母親が使用している割合
*3 ハードディスクレコーダ・ブルーレイを含む

 

ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」が、東京・神奈川・千葉・埼玉に住む6カ月~6歳の乳幼児がいる母親3,400人へ行なった「第2回 乳幼児の親子のメディア活用調査」で、「家庭のメディア保有率」を尋ねたところ、母親の92.4%が「スマートフォン」保有していることが分かりました。この比率は「テレビ(98.3%)」に次ぐ2位に位置し、「ビデオ・DVD(82.5%)」「パソコン(76.5%)」を上回っています。また母親のスマホ保有率は、2013年に行なった第1回調査の60.5%から1.5倍以上の増加となりました。

 

乳幼児のスマホ使用頻度、「ほとんど毎日」が2割超

子どもがスマートフォンに接している頻度(1週間当たり)

 

次に、家庭にスマートフォンがある人へ「子どもがスマートフォンに接している頻度」を聞くと、1週間当たり「ほとんど毎日」という回答が21.2%となりました。第1回調査の結果では、「ほとんど毎日」が11.5%だったので10ポイント近く上昇しています。また、年齢別で見ると、0歳後半から4歳までの子どもの2割が「ほとんど毎日」スマートフォンに接していることも分かりました。

 

子どものスマホ使用時間、7割が「15分未満」

子どもがスマートフォンに接している時間(平日1日あたり)

 

乳幼児がスマホに接する頻度は増えているものの、「子どもがスマートフォンに接している時間」を尋ねると、「15分未満」が70.2%と最も多い結果に。スマートフォンが家庭にない人や使わない人も含めた7割の家庭では、平日の使用時間は15分未満と少ないことが明らかになりました。

 

外遊びの時間と、メディア閲覧時間に大きな変化なし

平日1日当たりの活動時間(上図2017年、下図2013年)

 

次に、乳幼児の「平日1日当たりの活動時間」への回答を、2013年と2017年で比較してみると、「外で遊んだり、お散歩したりする」時間が「1日1時間以上」の割合は、2013年73.1%から2017年69.8%と微減。「おもちゃで遊ぶ」時間が「1日1時間以上」の割合も、2013年85%から2017年83.6%と微減で、あまり変化がありませんでした。一方、メディアへの接触時間では「スマートフォン」の15分以上の利用の割合が2013年12.4%から2017年29.8%と17.4ポイント増加しているのに対し、「ビデオ・DVD」の15分以上の利用の割合が2013年60%から2017年45.1%と15ポイント減少していました。スマホ利用は拡大していたものの、「ビデオ・DVD」など別のメディアの接触時間が減少していたため、乳幼児がメディアに接する時間自体は変わっていないこと、外遊びやおもちゃ遊びの時間とのバランスも崩れていないことが分かりました。

 

子どもが使うメディア、テレビ・ビデオからスマホへ

また「子どもがメディアを使う場面」のうち、「親が家事で手を離せないとき」に使われたメディアを見ると、「テレビ番組」は、2013年の72.2%から2017年の64%へ減り、同じく「ビデオ・DVD」も46.1.%から35.8%へと減少しました。一方、「タブレット端末」は16.8%から23.9%へ増加、同じく「スマートフォン」も7.7%から15.2%へ増加しました。子どもが利用するメディアが、テレビやビデオからスマートフォンなどの端末へ移行しているのですね。

 

テレビ、ネット動画、アプリ使用のメリット・デメリット

テレビ番組やインターネット動画・画像を見せることへのメリット・デメリット

 

また、「テレビ番組」「インターネット動画・画像」「アプリ・ソフト」を見せることについて、それぞれのメリット・デメリットを聞くと、メリットについては、3つの項目とも1位が「歌や踊りを楽しめる」、2位が「知識が豊かになる」という結果に。一方、デメリットは1位が「目や健康に悪い」、2位が「夢中になり過ぎる」、3位が「長時間の視聴や使用が続く」となりました。

 

スマホは「長時間見せない」「使わせない」「親と一緒に」

子どもがスマートフォンを使う場合の主な工夫

 

さらに、「子どもがスマートフォンを使う場合の主な工夫」を聞いたところ、1676件の回答が寄せられ、「長時間見せない(526件)」「使用させない環境を作る(431件)」「親と一緒に使う(301)」などが主な回答として挙げられました。長時間使い続けがちなスマートフォンの使い方を工夫していることが分かりました。

 

まとめ

子どもがスマートフォンに接する頻度は増えていても、外遊びなどの時間はほとんど変わっていないことから、メディアに接する時間自体が大幅に増えているわけではなさそうです。インターネット動画やアプリは、今までにない学びを体験できる一方、時間を忘れて夢中になってしまいがち。困ったときの子守アイテムだけにせず、親子で一緒に使ってうまく活用できると良いですね。

 

◇「第2回 乳幼児の親子のメディア活用調査」子育てにおけるスマートフォン利用が拡大乳幼児の接触頻度は増加するも「1日15分未満」が7割(ベネッセホールディングス)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000607.000000120.html

 

qufour(クフール)編集部

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