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【始めよう薬膳レシピ21】血流UP「体を芯から温めるクリーミーパスタ」

寒さも本格的になってきたこの時季、体を温めてくれるパスタはいかがでしょう。今回は「イカ」をメインにした、体にエネルギーを蓄えやすい「カボチャ」ソースのパスタレシピをご紹介します。「カボチャ」と「イカ」はどちらも、体を温めたり、心身に不足した「」や「血(血流)」を補うため、疲労やプチ不調にめげない体を目指せますよ。カボチャのソースは、豆乳ベースと生クリームベースの2パターンをご紹介しているので、お好きな方を作ってみてくださいね。

 

「体を芯から温めるクリーミーパスタ」の食材効果

今回ご紹介するのは、美肌効果を期待できる「カボチャ」と、血流を促して体を楽にしてくれる「イカ」を使った「体を芯から温めるクリーミーパスタ」です。

 

薬膳で「カボチャ」は、体へ「気(エネルギー)」を補ううえ、体を温める「温性」という分類の食材です。これから徐々に寒さが厳しくなるので、カボチャの力を借りながら、冷えを乗り切っていきましょう。

 

また「イカ(烏賊)」は「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)」に「」をもつため、血液(「」)と関係する機能を調整します。生活習慣病を予防し、「動脈硬化」にも効果があるとされますよ。

 

次に「アサリ」は、体の水分(「」)の偏りを調整するため、むくみに効く食材です。辰巳洋先生によると、アサリは水煮缶になると、「カルシウムは2倍、鉄分は10倍」になるので、今回は調理しやすい水煮缶を使いましょう。

 

◇参考文献
「薬膳素材辞典」(源草社、辰巳洋 主編)

 

「体を芯から温めるクリーミーパスタ」の材料(2人分)

スパゲティ:200~230g(ペンネなどお好みのパスタ)
カボチャ:1/4個(約350g)
豆乳:200ml
卵黄:1個
粉チーズ:20g(お好みで増減可)
コンソメ顆粒:小さじ2(なくても可、お好みで増減可)
イカ(刺身用):150g(またはヤリイカなどの胴部分1枚くらい)
アサリ(水煮缶):100g(または殻付きアサリ)
オリーブオイル:適量
塩:小さじ1(お好みで増減可)
黒コショウ:適量
バター:適量(お好みで)

 

「体を芯から温めるクリーミーパスタ」の作り方

1.イカは切り身なら、厚さ1cmにそいでから1口大に切り分け、胴部分なら、幅1cmの輪切りにして、食べやすい大きさに切っておきます。アサリは水煮缶を使いますが、殻付きアサリを使うときは、砂出しして洗っておきます

2.カボチャは、1/4個を縦方向にいくつかに切り分け、茹でるか、500Wの電子レンジで4~5分加熱して少し冷まし、大きめのスプーンで皮から実を外します

3.ミキサーへカボチャ、豆乳、卵黄、粉チーズ、お好みでコンソメ顆粒を入れ、滑らかになるまですり潰して、ソースを準備しましょう

※ミキサーがないときはカボチャをボウルへ入れ、スプーンかヘラで潰し、ほかの材料とよく混ぜ合わせます

4.大き目の鍋にお湯を沸かし、沸騰したらスパゲティなど、お好みのパスタを茹で始めます

※コンロが1つしかないときは、工程5まで行なってソースを完成させ、その後パスタを茹で上げてから、再度ソースを温めましょう

5. オリーブオイルを熱したフライパンで、イカ、アサリ、塩、黒コショウ(またはコショウ)を炒め、火が通ったら、すり潰したカボチャのソースを加えて弱火で熱し、最後に塩、黒コショウで味を整えます。ソースはパスタに絡めるので、少し濃い目の味付けの方が美味しくいただけます

6. 茹で上がったパスタの湯切りをして、バターと混ぜ、お皿に盛り付け、ソースを掛けたら完成です

 

ソースの色を気にしなければ、カボチャは皮ごとミキサーですり潰すと「βカロテン」を丸ごと取れ、生活習慣病の予防になりますよ。今回はイカとアサリを別々に準備しましたが、シーフードミックスでも代用できます。イカの下処理で困ったときは、下のURLを参考にしてみてくださいね。

 

【調理の下処理18】初めてでも失敗しない!「ワタ付きイカ」のさばき方

 

カボチャソースのプチアレンジ

先に紹介したソースはカボチャ、豆乳、調味料で作り、魚介を加えましたが、豆乳の代わりに生クリームでも作れますよ。

 

≪カボチャソース、生クリーム版の材料≫

カボチャ:1/4個
玉ネギ:1/4個
生クリーム:200ml
卵黄:1個
粉チーズ:20g(お好みで増減可)
コンソメ顆粒:小さじ2
塩:小さじ1~2(お好みで増減可)
黒コショウ:適量

 

1.カボチャは、上記の方法で加熱してから皮を取り、玉ネギは生のまま、一口大くらいに粗く刻んでおきましょう

2.ミキサーへカボチャ、玉ネギ、生クリーム、卵黄、粉チーズ、コンソメ顆粒を入れ、滑らかになるまですり潰します

※ミキサーがないときは、カボチャをボウルへ入れ、スプーンかヘラで潰してから、ほかの材料とよく混ぜ合わせましょう。このとき玉ネギはみじん切りにします

3. ここからは、上記の5.の通り、オリーブオイルを熱したフライパンで、イカ、アサリ、塩、黒コショウ(またはコショウ)を炒めてから、すり潰したソースを絡め、弱火で熱します。最後に塩、黒コショウで味を整えたら、ソースの出来上がりです

 

薬効1「カボチャ」

「カボチャ(南瓜)」は、疲労回復に役立ち、豊富な「βカロテン」や「ビタミン」を1度に取れる野菜です。【始めよう薬膳レシピ18】では、疲れを回復するおやつとして、カボチャとサツマイモを使った「温野菜スティック」をご紹介しました。カボチャは胃腸(「」)に優しく、これからの季節は風邪予防に使えますよ。

 

薬効2「イカ」

薬膳で「イカ」は、女性に不足しがちな「血(血流や栄養)」を補うので、疲れを和らげたり、貧血の改善に役立ちます。血流を促すため、肝臓(「」)の働きを高めたい方にもおすすめですよ。

 

むくみが気になる方にもおすすめのパスタ

今回は、野菜と魚介の両方を使ったパスタのレシピをご紹介しました。この料理は、「ビタミン」「βカロテン」のほか、「ミネラル」「カルシウム」も取れるので、栄養バランスの良い1皿です。また薬膳で「カボチャ」は、秋冬に欠かせない食材なので、料理やおやつなど、お好きな方法で召し上がってみてくださいね。

 

そして「アサリ」と「豆乳」はどちらも、「水(水分)」バランスを調整できる食材です。最近「むくみが気になる」という方は、ぜひお試しを。「アサリ」は、イライラにも効きますよ!

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。