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[始めよう薬膳レシピ24]風邪の辛さ救済「咳やたんに効くコンポート」

冬本番を迎えるこれからの時季は、風邪を引きやすくなりますね。今回は、五臓の「」の熱を鎮めたり、咳やたんに効果的な「柿」と、喉の乾燥に効く「ハチミツ」で作る、コンポートのレシピをご紹介します。柿の甘味をたっぷり味わえる1品で、風邪の辛さを和らげましょう。一緒に使う「クコの実」や「干しブドウ(レーズン)」は、疲れを緩和し、冷えた体にエネルギーを補う、という特徴もありますよ。

 

「咳やたんに効くコンポート」の食材効果

今回ご紹介するのは、美肌効果の高い「柿」を、粘膜や腸の乾燥を和らげる「ハチミツ」で煮た「咳やたんに効くコンポート」です。

 

生の「柿」は、を取り除く力が強いので、発熱時や普段から体にを溜めやすい方に適していますが、今回のコンポートのように、相性の良い「ハチミツ」と一緒に煮込んで、喉の不調を緩和する使い方もあります。

 

また、生柿の冷性が気になるときは、量を少な目にしたり、「干し柿」をいただくのもおすすめです。柿を煮て使うなら、「おろしショウガ」を加えてもいいですね。

 

レシピに使う「干しブドウ」は貧血に、「クコの実」は目に効く食材。どちらもトッピングするだけで、簡単に料理に加えられるので、あればどんどん使っていきましょう。

 

「咳やたんに効くコンポート」の材料(2人分)

柿:2個
干しブドウ(レーズン):大さじ1~2(増減可)
クコの実:大さじ1(なくても可)
白ワインなど好みのお酒:適量(お湯で代用可、なくても可)
水:100~130 ml(柿を煮るのに使用)
ハチミツ:大さじ1(または氷砂糖)

 

「咳やたんに効くコンポート」の作り方

  1. 柿は皮を剥いて、クシ形切りにしておきます
  2. 干しブドウ、クコの実は、お好みのお酒へ、数分浸しておきましょう
  3. 小鍋にお湯を沸かし、柿、干しブドウ、クコの実を入れて煮立て、ハチミツを入れ、5分ほど煮込み、柿が柔らかくなったら出来上がりです

 

熟して柔らかくなった柿を使うときは、加熱時間は少なくてOKですよ。また干しブドウとクコの実を、お酒かお湯で戻していますが、この工程は省いても大丈夫です。

 

薬効1「柿」

薬膳で「柿」は、「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した経路のこと)」に「肺(はい)」をもち、粘膜の乾燥を和らげるので、咳やたんなど、風邪の症状を楽にしてくれます。また水分が豊富なため、喉の渇きを癒すほか、含まれる「βカロテン」や「ビタミンC」が免疫力をUPします。

 

薬効2「クコの実(クコシ)」

「クコの実」は、五臓の「腎(じん)」という働きを助けるので、寒い季節を乗り切るのに適していて、滋養や活力を補える実です。そのままでも食べられるほか、お酒やおかず、スープ、お粥に入れても良く、手軽に取り入れられます。【フルーツの薬膳レシピ16】では、リラックス効果の高い、混ぜ合わせるだけのお茶を紹介しています。

 

気管に優しい、柿やダイコン

今回ご紹介した「柿」のコンポートは、買ってきた柿が思ったより甘くなかったときにピッタリ。またコンポートは、刻んでヨーグルトやホットケーキミックスに混ぜて使えるので、切っただけの柿に飽きてしまったときにもおすすめの食べ方です。

 

薬膳では「柿」以外に、「ダイコン」も喉や気管の不調を改善する食材で、帰経の1つに、柿と同じ「肺」があります。柿が苦手な方は、刻んだダイコンをハチミツに漬け込んだ「ハチミツ大根」でも、似た効果を得られますよ。また「ダイコン」は消化を促して腸をきれいにしてくれるので、お腹の大掃除にもどうぞ。

 

現代はさまざまな食事療法があり、なかには食材を制限するものもありますが、薬膳では食べてはいけない食材はなく、肉・魚類やフルーツなど、体質に合ってさえいれば何でも食べられます。柿とダイコンのように、似た作用の食材もあるので、お好きな食べ物(薬膳)を選びながら、健康を維持していきましょう!

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。