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[始めよう薬膳レシピ25]年末疲れに「活力補充の八角炒め」食欲もUP

いよいよ年の瀬。今回は忙しい方にピッタリな、スタミナが付く「牛肉」を、体を温めて胃腸の調子を良くする「八角(ハッカク)」で香り付けした、炒めものレシピをご紹介します。「八角」は血流を促すので、冷え性に効果的なうえ、食欲不振も改善してくれるスパイスです。免疫力を上げる「長ネギ」「ショウガ」「ニンニク」もたっぷり使うので、エネルギー補充できるほか、風邪予防にもぴったりの1皿ですよ。

 

「活力補充の八角炒め」の食材効果

今回ご紹介するのは、牛肉で活力を補充でき、独特の風味が料理を引き立てる「八角」を使った牛肉炒めです。

 

体力回復に役立つ「牛肉」は、寒さで消耗しがちな冬の体力サポートにうってつけです。また抗菌作用のある「八角」は、胃腸の調子を整える作用がありますよ。

 

調理に使う「長ネギ」「ショウガ」「ニンニク」などの香味野菜は、どれも体温を上げたり、風邪予防になる食材なので、苦手でない方はたっぷり使ってみてくださいね!

 

「活力補充の八角炒め」の材料(2人分)

牛モモ肉:300gほど
長ネギ:中1本(4/5を炒めに、1/4を盛り付けに使用、割合はお好みで調整可)
ゴマ油:大さじ4(またはご自宅にある食用油)
塩:適宜
黒コショウ:適宜(コショウで代用可)
シメジ:100gほど(両手に乗るくらい、ほかのキノコでも可)
湯:200ml(調味液に使用)
料理酒:大さじ3 
きび糖:大さじ1(またはご自宅にある砂糖、ハチミツ)
醤油:大さじ2~2.5(お好みで増減可)
ショウガ:中1個(おろし、みじん切りの状態で大さじ2ほど)
ニンニク:1片(なくても可)
八角:2~3個

 

「活力補充の八角炒め」の作り方

1.シメジは石づきを取ってほぐし、牛モモ肉はひと口大または食べやすい大きさに切り分けて、塩、コショウしておきます

2.長ネギは、白色部分と緑色部分の両方を使い、炒める分は斜め切りに、最後に振り掛ける分は、みじん切りにしておきましょう

3.湯、料理酒、きび糖、醤油、すりおろすかみじん切りにしたショウガ、ニンニクを小鉢などで混ぜ合わせ、調味液を準備しておきます

4.ゴマ油を熱したフライパンで、牛肉を中火で焼き、軽く火が通ったら長ネギを加えて炒め、シメジ、調味液、八角を入れて、7分ほど煮込みましょう。煮汁は残っていても、なくなるまで煮込んでもOKです

5.八角を取り出し、お皿に盛り付け、長ネギのみじん切りを散らしたら出来上がりです

 

今回は八角を2~3個使用していますが、八角の香りは独特なので、初めて使う方は、まずは2個から試してみてください。またキノコ類の石づきや、ニンニクの処理方法が気になったときは、下の記事を参考にしてくださいね。

 

言えますか?「キノコの石づきってどこ?」「何で食べないの?」

【調理の下処理24】ニンニクの皮を剥くコツ、ニンニクの芽の下処理法

 

薬効1「牛肉」

「牛肉」は豚肉や鶏肉と同じ、「甘」味という分類で、力を付けたいときや、疲労を和らげたいときに有用です。「牛肉」は体を温めるため、寒い季節におすすめですが、薬膳や東洋医学で、最も体を強く温めるのは「羊肉」とされています。冷え性が気になる方は、羊肉もお試しくださいね。

 

薬効2「八角」

「八角」はスパイスの1種で、血行促進の効果があるので、冷え性食欲不振を改善します。サイズは1.5~2cmと小さ目で、写真のような形状で販売されているものもあれば、粉末タイプもありますよ。

 

スパイスに詳しい方は、アニスという実または植物を知っていると思いますが、「八角」は形状が星に似ているため、「スターアニス」とも呼ばれ、八角はシキミ科、アニスはセリ科に属します。また八角は食用以外にも用いられるので、ドライフラワーが好きな方は、パーツとして使ったことがあるかもしれませんね。

 

◇エスビー食品株式会社 スパイス&ハーブ検索 アニス/Anise
http://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/jiten/detail.php?SPCCODE=00003

 

体調に目を向けて、健やかに

「八角」は、「腎(じん)」の働きをサポートしてくれるアイテムです。「腎」とは、エネルギーを蓄えたり、アンチエイジングと関わりの深い機能のことで、薬膳では、は、冷えで弱りがちな「腎」に働き掛けると、健やかに過ごせると考えます。

 

もう1つ体調維持のため、常に気を付けると良いのが、胃腸(「脾(ひ)」)の働きです。「脾」は、栄養を取り込むための大切な機能なので、日ごろから「消化力が落ちていないか」「便秘がちでないか」など、体に目を向けてみるといいですね。

 

アンドルー・ワイルというアメリカ人医師は、著書「癒す心、治る力(角川書店)」のなかで、栄養状態が良くない状態では、自然治癒力が起こりにくいと述べています。バランスの良い食事をとり、体中に栄養素を運んでくれる血流(「」)の状態が良くなれば、「腎」や「脾」を含む「五臓」の働きが整い、プチ不調を吹き飛ばす力が湧いてきますよ。

 

最後になりますが、今年も残すところあと3日ですね。いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。qufour読者のみなさんにとって、2018年も輝かしく、夢が叶う年でありますようにお祈りしています!

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。