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[始めよう薬膳レシピ27]ストレスを緩和してくれる「揚げ焼き豆腐」

慌ただしかった1月もそろそろ終盤、疲れをリセットして2月を迎えませんか。今回は、ストレスを和らげる「ユズ」の皮をたっぷり使った、エビのとろみダレでいただく「揚げ焼き豆腐」のレシピをご紹介します。「豆腐」は疲労回復に役立つうえ、女性ホルモンに近い作用も期待できるため、若さや健やかさを維持したい女性のみなさんにぴったりです。また「ユズ」は、消化を良くするので、食欲がないときにおすすめの食材ですよ。今回のメニューは、お酒にも合うので、ユズの香りを楽しむ「おつまみ」としてもどうぞ!

 

ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の食材効果

今回ご紹介するレシピは、「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」です。タレには、体を温める「エビ」を使い、消化を助けてくれる「ユズ」で香り付けしました。

 

「エビ」は血行不良に効果的で、[旬の薬膳32]では、「1年の幸せを願う、縁起の良い魚介」の1つとしてご紹介しています。

 

「豆腐」は「大豆イソフラボン」をとれるので、女性の健康維持に欠かせない食材です。熱を冷ます「涼性」という分類なので、「温性」の「ネギ類」や「ショウガ」といった薬味と組み合わせると、バランスの取れた食べ合わせになりますよ。

 

また、これまで[不調の薬膳5]でもお伝えしたように、野菜やフルーツの「香り」には、気持ちを落ち着かせる作用をもつものがあります。今回は、「ユズ」を使って、気持ちが和らぐ、揚げ焼き豆腐を作っていきましょう。

 

「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の材料(2人分)

木綿豆腐:150g(縦15×横10cmくらい、1丁の約半分を使用)
ゴマ油または食用油:大さじ7くらい
剥きエビまたは小エビ:80~100g
塩:適宜(エビの下処理、タレに使用)
片栗粉:大さじ5(エビの下処理とタレ、豆腐の衣に使用)
水:250mlほど(タレ、水溶き片栗粉に使用)
カツオ節:5gほど(タレに使用)
酒:大さじ1(タレに使用)
醤油:大さじ1(タレに使用)
ユズの皮: 10cmほど(リンゴの皮を剥く要領で薄く剥いたもの、お好みで増量可)
ユズ果汁:クシ形で2切れ(お好みで、なくても可)
おろしショウガ:少々(お好みで、なくても可)
三つ葉:適宜(なくても可)

 

「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の作り方

1.ユズの皮は刻み、最後に散らす分を取り分けておきます。三つ葉は、2~3cmの長さに切っておきましょう

2.剥きエビは、包丁で薄く切り込みを入れて、腹ワタ、背ワタを取ったら、ボウルへ入れ、塩、片栗粉を順番に揉み込んで汚れを取り除き、よく洗い流してから、1cm角に刻んでおきます

3.鍋で水を沸かし、沸騰したら火を止めてカツオ節を入れ、そのまま数分置いてから、ザルなどで濾します

4.鍋に2.3.、酒を入れて加熱し、アクを取ったら、醤油、ユズの皮、おろしショウガ、三つ葉を加え、ユズの実を絞ってひと煮立ちさせ、塩で味を整えて、タレを作っておきます

5.木綿豆腐は、キッチンペーパーで包むようにして水分をしっかり取り、幅1~1.5cmに切ったら、片栗粉を薄く付け、ゴマ油を熱したフライパンで揚げ焼きにします。こんがり焼き目が付くくらいが美味しいです。焼き上がったら油を切り、お皿へ盛り付けましょう

6.タレに火を通し、水溶き片栗粉を回し入れてとろみを付けたら、豆腐にたっぷり掛け、最後にユズの皮を散らして完成です

 

今回は豆腐を揚げ焼きにしていますが、時間がないときは、市販の厚揚げを湯通しし、タレを掛けても美味しくいただけます。また、カツオ節がないときは、顆粒の和風ダシで代用できますよ。

 

「エビの下処理のコツ」や「エビの秘密」、「豆腐の水切り」について知りたいときは、下記の記事を参考にしてみてくださいね。

 

【調理の下処理5】殻と背ワタの取り方、臭味取りまで、エビ下処理のコツ

【調理の化学】伊勢海老と甘エビは美味しくない?

【調理の下処理34】料理に合わせて「豆腐の水切り」、時間別に4種ご紹介

 

薬効1「ユズ」

「ユズ(柚子)」は、おせちでいただく「なます」や、冬至のお風呂にも使うので、馴染みのある果実ですね。「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)」に「」をもつので、咳が出て辛いときの不快な症状を和らげるほか、「」を巡らせる作用が強いため、胃の調子が良くないときにもおすすめです。

 

冒頭でも触れた通り、ユズの香りにはリラックス効果があり、気分が落ち着きます。また「ユズの皮」が体を温める性質をもつ一方、「ユズの果汁」は、「涼寒性」で体を冷やすので、おろしショウガなど「温性」の食材を合わせて、温冷のバランスをとるといいですね。

 

薬効2「豆腐」

豆腐は、これまでに夏の熱冷まし食材としてご紹介してきました。また五臓の「脾(ひ)」や「胃」と関わりが深く、消化しやすいため、年齢を問わずいただけるほか、疲れを取りやすいという特徴もあります。油分との相性が良く、今回のレシピのように、ゴマ油と組み合わせると、便通が整いやすいですよ。

 

寒い季節に大切なこと

薬膳や東洋医学では、冷えると胃腸(「」)が弱り、栄養素を体の隅々にまで届けられないと考えます。ですので、体を温めたり、消化力を上げて胃腸の働きを維持することは、寒い季節を乗り切るために大切です。

 

今回のタレに使った「エビ」は、冷えを改善するので、に食べると体が温まり、[始めよう薬膳レシピ23]では、肩こり対策として、香味炒めをご紹介していますよ。

 

また冬至は過ぎてしまいましたが、残ったユズをお風呂に入れると、冷えに効くうえ、爽やかな香りでリラックスタイムを過ごせます。ぜひご家族で、お試しください。

「ユズ風呂」について気になった方は、下の記事を参考にしてみてくださいね!

 

冬至の「ユズ風呂」、効果と注意点、使用済みユズの再利用法2つ 

 

◇参考文献
「薬膳、漢方の食材事典」(ナツメ社)

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。