調理の下処理

[調理の下処理55]「煮魚」の苦手解消!臭味消しと柔らか仕上げのコツ

子どもが食べ残すメニューの1つに「煮魚」がありますね。今回は、「煮魚」の臭味を和らげる下処理と、煮崩れを防いでふっくらと仕上げるコツをご紹介します。嫌いな食べ物の理由に挙がる、味、匂い、食感。子どもは大人よりも味に敏感で、魚の臭味を強く感じています。「煮魚」を食べやすく仕上げるには、下処理をしっかりと行なうのがコツ。また、鮮度の落ちた魚は臭味成分が増えるため、新鮮な魚を選ぶのも大切です。

 

コツ1:霜降りをして汚れを落とす

魚の臭味は、水に溶けやすい特徴があります。煮汁に浸す煮魚は、煮汁に臭味が移りやすく、焼き魚よりも臭味を強く感じてしまいます。そこで、「霜降り」と呼ばれる、魚に湯を掛ける下処理を行ないましょう。湯を掛けることで、ヌメリや血合いなどの臭味のもとを取り除きやすくなるのです。ザルへ魚を置き、湯を全体に掛けたら、ボウルに溜めた水に浸けて汚れを落とします。そのあと、流水で洗い流し、キッチンペーパーで水分を拭き取りましょう。

 

コツ2:切り込みを入れて仕上がりアップ

霜降りを行なったら、表になる側へ1~2本、裏側にも1本切り込みを入れます。皮近くの身は加熱すると縮みやすく、加熱すると皮が引っ張られて破けてしまうため、これを防ぐためです。また切り込みを入れることで、煮汁の染み込みと、火の通りを良くします。魚は、煮込み時間が長くなると身が固くなるため、切り込みを入れて加熱時間を短くし、柔らかく仕上げましょう。ブリの切り身など皮の面積が小さい場合は、切り込みの必要はありません。

 

コツ3:落としブタで煮汁を染み込みやすく

煮魚のレシピには、冷たい煮汁から煮るものと、沸騰した煮汁で煮込むものがありますね。沸騰した煮汁へ入れるのは、身の表面を固めて内側から出る臭味成分を防ぐためです。霜降りを行なった場合は、すでに臭味を和らげる下処理をしているため、冷たい煮汁から入れてOK。煮立った煮汁へ入れるよりも、煮崩れが少なくなります。また鍋へ魚を並べたら、アルミホイルなどで落としブタをし、煮汁を対流させ染み込みやすくします。煮汁が沸騰するまでは強火で、沸騰後は弱火にして3~5分煮ましょう。落としブタを外して、スプーンで煮汁を魚に掛けながら2分ほど煮たら出来上がりです。

 

香味野菜と酒で、さらに臭味を和らげる

魚の臭味は、霜降りで和らげることができますが、さらに臭味を取り除く場合は、香味野菜や酒を組み合わせて使います。煮魚によく使う香味野菜は、ショウガやネギで、強い香りをプラスして臭味を隠す働きがあります。酒は、煮汁に溶け出した臭味成分を、アルコールと一緒に蒸発させ、臭味を取り除いてくれます。魚の臭味を和らげる下処理を組み合わせることで、煮魚が食べやすくなりますよ。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。