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[今さら聞けないお金の話4]「住宅ローン控除」「医療費控除」の確定申告

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「確定申告」って聞くと、なんだかとっても面倒そうですよね。そこで今回は、「確定申告」のなかでも、みなさんの関心が高い「住宅ローン控除」と「医療費控除」を中心にお話します。特に医療費控除に関しては、平成29年分から提出する書類が簡略化され、また「セルフメディケーション税制」という新しい制度も創設されました。手続きのハードルが下がったこの機会に1度、確定申告のことを考えてみませんか。

 

Q1.給料制で年末調整してたら「確定申告」しなくていい?

「給与所得者で、年末調整を受けている人」の多くは、確定申告の必要はありません。しかし、1部の人は確定申告が必要です。また確定申告の必要はなくても、申告すると納めすぎていた税金が還ってくる人がいます。この税金を戻してもらうための申告は、正式には還付申告と言います。

 

下に「確定申告が必要な人」と「納めすぎていた税金が還ってくる人」をまとめました。「確定申告が必要な人」に当てはまる方は確定申告しなくてはいけません。一方「納めすぎていた税金が還ってくる人」に当てはまる方は、申告をしなくても問題はありませんが、申告をしないと納めすぎた税金は還ってこないことになります。

 

<確定申告が必要な人>

・給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
・給与所得や退職所得を除く所得金額の合額が20万円を超える人
・2カ所以上から給与の支払いを受けていて、メインになる給与以外の所得金額の合計額が20万円を超える人
・同族会社の役員などで、その同族会社から資産の賃貸料などを受け取っている人
・災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
・源泉徴収義務のない個人などから給与等の支払いを受けている人 
・退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

◇No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htm

 

<納めすぎていた税金が還ってくる人>

・年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっている人
・一定の要件を満たすマイホームを取得などして、住宅ローンがある人
・マイホームに特定の改修工事をした人
・認定住宅を新築等した人(認定住宅新築等特別税額控除)
・災害や盗難などで資産に損害を受けた人
・転勤費用や業務上必要な資格所得などの特定支出について、控除の適用を受ける人
・多額の医療費を支出した人
・国や特定公益増進法人などへ特定の寄附をした人

 

◇No.2030 還付申告|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2030.htm

 

Q2.よく聞く「住宅ローン控除」は確定申告と関係あるの?

「住宅ローン控除」を受けるためには、還付申告をしなければなりません。住宅ローン控除が受けられる場合を大まかに説明すると、「一定の要件に当てはまる住宅を、新築するか購入した」か「省エネ住宅など特定内容で自宅を改修工事した」ときの資金を、「民間の金融機関、勤務先、機構(旧公庫)などから住宅ローンを組んで借り入れした場合」に、居住した年以降10年間に渡って、所得税の税額控除の適用が、各年末の借入残高に応じて受けられ、「税金が還ってくる」制度のことです。

 

この制度の適用を受ける前提として、「年間所得が3,000万円以下」であることや、「返済期間が10年以上の住宅ローン」であることなど、いろいろと要件がありますが、要件に当てはまると、支払った所得税額を上限として、10年間ローン残高の1%に当たる税金が還ってきます。また控除しきれなかったものは、翌年度の住民税の一部控除に利用できる場合もあります。

 

◇住宅ローン控除制度(平成29年9月現在):住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
http://www.jhf.go.jp/loan/hensai/syokai_yoken.html

◇マイホームを持ったとき 1|税について調べる|国税庁
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm

◇No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1213.htm

◇No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1210.htm

◇総務省|所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方|新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html

 

Q3.住宅ローン控除を受けるには、毎年申告が必要?

住宅ローン控除の申告は、給与所得者の方なら、マイホームを取得して住み始めた初年度分の控除について還付申告を行なえば、2年目以降は、年末調整時に勤務先へ必要書類を提出するだけで控除を受けることができます。

 

<住宅ローン控除の2年目以降に、年末調整で必要な書類>

・税務署が発行する「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」
・税務署が発行する「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書(※)」

※住宅ローン控除の初年度に確定申告をしたあと、管轄税務署から対象年数分の書類がまとめて送付されるので、これを順次提出します。万が一紛失した場合は、管轄税務署へ再発行の依頼が必要です。

 

◇確定申告・年末調整の手続き:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
http://www.jhf.go.jp/loan/hensai/syokai_kakutei.html

 

Q4.住宅ローン控除の還付申告で、必要な書類を教えて

住宅ローン控除の還付申告で、必要となる書類は大まかに2種類あります。1つは、申告用紙に当たるもの、もう1つは申告のための添付書類です。申告用紙に当たる2つは、税務署へ取りに行くか、国税庁のホームページから印刷できます。税務署では確定申告用の書類をセットで用意していますので、目的を伝えればすぐに渡してくれます。また確定申告書そのものは、用紙を利用せず、国税庁のホームページ上で直接入力して申告することもできます。確定申告書には(A)と(B)がありますが、給与所得者の方は(A)を使います。書類の詳細については、以下をご覧ください。

 

<申請用紙にあたるもの>

・確定申告書(給与所得者はAを使用)
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

 

<添付書類>()の中は書類の発行元

・源泉徴収票の原本(勤務先)
・金融機関等からの住宅ローンの借入金残高証明書(借入金融機関)※1
・土地・建物の登記簿謄本(法務局の支局、出張所)
・売買契約書または建築請負契約書の写し(不動産会社など)※2
・耐震基準適合証明書、または、住宅性能評価書の写し(不動産会社など)※3
・認定通知書の写し(不動産会社など)※4
・住民票の写し(市町村役所など)※5
・マイナンバーカード、または、マイナンバーが分かる書類+身分証明書

 

<その他>

・還付金を振り込む金融機関の口座番号が分かるもの
・印鑑

 

※1:住宅ローンの年末残高証明書は、通常、借入した金融機関から送られてきます
※2:住宅に関する契約書は不動産会社との契約書です
※3:一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合のみ必要
※4:認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合のみ必要
※5:平成28年以降はマイナンバーが分かるものがあれば不要

 

◇登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です :法務局
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html

 

Q5.「医療費控除」ってどんな制度?

生計を一にする家族が1月1日から12月31日の1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、医療費控除を申告すると、10万円を超えて実際に負担した医療費分を最大200万円まで所得控除できる制度です。実際に負担した医療費分ですので、保険金などで補填された金額は差し引いたうえで10万円を超えなければなりません。また、総所得金額等が200万円未満の場合の対象医療費は、10万円を超えた分ではなく、総所得金額等の5%を超えた分となります。

 

そして実際に負担した医療費というのは、診察治療費や薬代などの医療費のほか、病院までの交通費も治療のために必要な負担として合算できます。このとき「自家用車のガソリン代」と「不要と判断されるタクシー代」などは、含まれませんので注意しましょう。

 

◇No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm

 

Q6.「生計を一にする家族」って同居してなきゃダメ?

必ずしも同居している必要はありません。たとえば単身赴任等で別居されている旦那さんや、進学で実家を離れたお子さんがいた場合、生活費等の送金が行なわれ、同一の家計としてやりくりされていれば、「生計を一にする」と認められ、ご家族全員分の医療費を合算できます。

 

◇No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180_qa.htm

 

Q7.医療費控除って、実際いくら控除されるの?

1年間に支払った医療費の合計が30万円、保険金が5万円支給された場合について、総所得金額等が200万円以上の場合と、190万円の場合を見てみましょう。

 

<総所得金額等が200万円以上の場合>

「年間支払医療費30万円」-「保険金5万円」-「医療費控除条件額10万円」=「所得控除額15万円」

 

<総所得金額等が190万円の場合>

「年間支払医療費30万円」-「保険金5万円」「医療費控除条件額9万5千円(※)」=「所得控除額15万5千円」

 

※190万円の5%

 

ここで算出された「所得控除額」は、あくまで課税所得額から経費として引くことのできる額ですから、この金額が還付されるわけではありませんので、注意しましょう。

 

Q8.10万円を超えないと、医療費控除って泣き寝入りなの?

残念ながら、通常の医療控除は受けられませんが、平成29年分の確定申告から「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」という優遇制度が期間限定で創設されました。この制度は、健康診断や予防接種等を受けることで、健康の維持もしくは疾病の予防に努めている人が、平成29年1月1日以降、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)の購入費用が1年間に1万2千円を超えた場合(最高8万8千円まで)所得控除を受けられるというものです。

 

こちらも通常の医療費控除と同様に、生計を一にしている家族分の購入費用を合算できます。セルフメディケーション税制の適用期間は、2018年1月現在、2017年(平成29年)1月1日~2021年(平成33年)12月31日となっています。

 

◇医療費控除の準備:平成29年分 確定申告特集
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/iryouhikoujo.htm

◇セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html

 

Q9.医療費控除とセルフメディケーション税制、両方使える?

セルフメディケーション税制は医療費控除の特例ですので、同年分として両方を申告することはできません。どちらか一方を選択して適用を受けます。またどちらも、1度申告するとあとからもう一方へ変更してもらうこともできません。どちらがいいか迷った場合は、下記の「重要なお知らせ <医療費控除が変わります>」ページに両方の概算額を試算できるWebフォームがありますので、入力して比較してみてください。

 

◇No.1131 セルフメディケーション税制と従来の医療費控除との選択適用|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1131.htm

◇重要なお知らせ <医療費控除が変わります>:平成29年分 確定申告特集
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/info-iryouhikoujo.htm

 

Q10.医療費控除、セルフメディケーション税制の必要書類は?

「医療費控除」「セルフメディケーション税制」も、「住宅ローン控除」と同様に、還付申告の書類は、申告用紙に当たるものと、申告のための添付書類が必要です。申告用紙に当たるものは、「確定申告書」のほか、医療費控除では「医療費控除の明細書」、セルフメディケーション税制では「セルフメディケーション税制の明細書」を、税務署や国税庁ホームページで入手します。下記が必要な書類の一覧で、()内は発行元です。

 

<医療費控除>

・確定申告書(給与所得者は(A)を使用)(所轄の税務署、国税庁HP等)
・源泉徴収票の原本(勤務先)
・医療費控除の明細書(所轄の税務署、国税庁HP等)
・医療費の領収書やレシート(医療機関、薬局等)※1
・医療費通知(加入している健康保険)※2
・交通費の明細、もしくは領収書※3
・マイナンバーカード、または、マイナンバーが分かる書類+身分証明書
・還付金を振り込む金融機関の口座番号が分かるもの
・印鑑

※1:医療費控除の明細書の作成に使用し、提出不要。ただし、税務署から提示要請に応じる必要があるため、5年間の保管が必要
※2:必須書類ではないが、あると医療費控除の明細書作成が簡易になります。
※3:領収書が出ない公共交通機関利用時は、自身による記録等

 

<セルフメディケーション税制>

・確定申告書(給与所得者は(A)を使用)(所轄の税務署、国税庁HP等)
・源泉徴収票の原本(勤務先)
・セルフメディケーション税制の明細書(所轄の務署、国税庁HP等)
・スイッチOTC医薬品の購入を証明できる領収書やレシート※4
・健康の保持増進及び疾病の予防への取組要件を満たすことを証明する書類※5
・マイナンバーカード、または、マイナンバーが分かる書類+身分証明書
・還付金を振り込む金融機関の口座番号が分かるもの
・印鑑

※4:セルフメディケーション税制の明細書の作成に必要になるため「薬局等の名称」「医薬品の名称」「支払った金額」が分かるもの
※5:定期健康診断等の結果通知、予防接種等の領収書など

 

◇医療費控除に関する手続きについて(Q&A) 国税庁【PDF】
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryohikozyoQA.pdf

 

Q11.確定申告っていつやるの?

確定申告の申告期間は、毎年2月16日から3月15日ですが、実は還付申告に関しては1年中申告できます。また、過去5年分はさかのぼって申告することもできます。ですので、税務署担当者にゆっくり話を聞きたい、相談したいという方は確定申告の期間を外した時期に所轄税務署に行くのもおすすめめです。ただし「住宅ローン減税」に関しては居住した初年度に申告しないと、適用期間が実質縮小されるため注意しましょう。

 

まとめ

今回は還付申告のなかでも関心の高い、住宅ローン減税と医療費控除の概要をまとめました。申請書の作成も手書き・手計算のほか、国税庁のホームページ内にある作成コーナーのWebフォームを利用すると、自動で計算してくれる箇所もあり、比較的に簡単に作成できます。また所轄税務署も、空いている時期ならじっくり相談を受けてくれますので、興味がある方は機会を作って足を運んでみてくださいね。

 

<前回の記事>[今さら聞けないお金の話3]住民税・社会保険支払い、必須になる収入額
https://qufour.jp/article/detail/3290

 

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やよい / 東京都

2級ファイナンシャルプランナー技能士、日商簿記検定2級、証券外務員二種をもつ、パート主婦。虫嫌いでお酒が大好きな旦那と、3匹の猫と、まったり暮らしています。

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