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[始めよう薬膳レシピ34]春の不調に効く「胃腸を丈夫にするグラタン」

春は、「肝(かん)」の働きが過剰になったり、胃腸の働きに関係する「脾(ひ)」が疲れたりします。今回は、胃腸を丈夫にするジャガイモとキャベツに、鶏ひき肉を合わせたグラタンのレシピをご紹介します。ホワイトソースを使っていないのでず、体質を問わずに食べられるメニューです。疲労回復の効果もあり、春野菜の甘味を味わえるひと品ですよ。

 

「胃腸を丈夫にするグラタン」の食材効果

今回ご紹介するのは、消化力に働きかける「ジャガイモ」「キャベツ」「玉ネギ」で作る、「胃腸を丈夫にするグラタン」のレシピです。

 

薬膳では、五臓の「」のほか、消化を司る「」のバランスが崩れて不調を感じることがあるので、消化力を上げたり、胃腸の働きを改善する食材を料理に取り入れることが大切です。

 

「玉ネギ」は、胃腸の働きを良くする以外に、血栓を予防する効果もあるので、サラダやマリネなど、いつものメニューにチョイ足ししてみてくださいね。

 

「胃腸を丈夫にするグラタン」の材料

<材料:2~3人分>

ジャガイモ:3個

オリーブオイルなど食用油:適量

鶏ひき肉:230gくらい

カレー粉:小さじ3

塩:適量

コショウ:適量

キャベツ:1/4カット

玉ネギ:1個

バター:適量(マッシュポテトに混ぜる、グラタン皿に塗るのに使用)

ナチュラルチーズ:40gくらい

パルメザンチーズなどの粉チーズ:適量

 

オーブンを使うので、材料のほかに、グラタン皿などの耐熱容器が必要です。

 

「胃腸を丈夫にするグラタン」の作り方

1.ジャガイモはあとで潰して使うため、先に茹でておきます

2.オリーブオイルを熱したフライパンで、鶏ひき肉、カレー粉、塩、コショウを炒め、パラパラになったらお皿へ移しておきましょう

3.キャベツと玉ネギは細かく刻み、塩、コショウをして、フライパンでさっと炒めておきます

4.茹で上がったジャガイモは、マッシャーか木べらなどで潰します。お好みで、塩、コショウ、バターを加えてもOKです

5.バターを塗ったグラタン皿へ、半量の潰したジャガイモを敷き、炒めた鶏ひき肉、炒めたキャベツ、ナチュラルチーズ、残りのジャガイモの順に重ね、最後に粉チーズを振り掛けます。使うグラタン皿は、大き目のものでも、小さなグラタン皿を人数分準備しても、どちらでも大丈夫です

6.オーブンなどで、焦げ目が付くまで10分ほど焼いたら出来上がりです

 

薬効1「ジャガイモ」

薬膳で「ジャガイモ」は、消化器官を意味する「脾胃」の機能を高める野菜です。また「気」を増すので、季節の変わり目や環境の変化、疲れが溜まるなどして、エネルギー不足を感じたときにも適していますよ。

 

薬効2「キャベツ」

薬膳で「キャベツ」は、疲れやすさを改善したり、「水毒」を軽減するため、むくみにも効く野菜です。胃もたれを治すほか、食欲UPにも期待できるので、普段のメニューに手軽に加えてほしい食材ですよ。「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)」のひとつに「腎(じん)」があるため、鶏肉などのタンパク質と一緒に、継続して食べると体力が付きます。

 

体を支える「甘」味の食材

今回のレシピに登場した「ジャガイモ」「キャベツ」「玉ネギ」「鶏肉」は、どれも「甘」味(かんみ)」という性味をもった食材です。甘味食材は、胃腸の働きを良くしたり、緊張をほぐして体を楽にしてくれますよ。

 

3月末ごろから4月にかけて環境の変化があった方にとって、今の時期は、馴れを感じる一方で、疲れも溜まってくるころではないでしょうか。そのほかにもは、「」の気が上がりますが、体がうまく順応せず、バランスが崩れてしまう方もいるかもしれません。そんなときは、適度に「」を補って、エネルギーを蓄えられる「甘」味食材の力を借りましょう。

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。