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[ダウン症児と私56]療育手帳更新「新版K式発達検査」前より悪い結果!?

療育手帳の更新時期がやってきました。今回は、療育手帳更新のために、面談と発達知能検査「新版K式発達検査」を受け、その結果にショックを受けるも、これまでの成長を再認識したときのお話です。役所から「療育手帳更新」のお知らせの手紙が届いたら、電話して面談と検査の予約を取り、児童相談所へ向かいます。

 

療育手帳の更新は2年毎、大きくなったら期間が延びることも

ユキトは、1歳2カ月のときに初めて療育手帳を取得し、2年後の3歳2カ月で手帳の更新をしました。今回も2年経過した5歳2カ月での更新です。ユキトの場合は、今のところ2年に1度の更新ですが、障害や発達の程度によって更新の期間が異なることもあるそうです。また、ある程度大きくなると、更新期間が延びてくると聞きました。

 

面談は、ユキトとパパと3人で児童相談所へ

面談の当日は、ユキトとパパと3人で児童相談所へ行きました。面談は個室で行なわれます。ユキト専用のファイルがあり、成長と発達の詳細が記載された書類がたくさん保管されています。前回までの記録がそのまま残っているので、それ以降の2年間の様子を担当の方に話しました。

柔らかい物が中心ですが、食事もいろいろな種類の物が食べられるようになったこと。飲み物をストローで少しずつ飲めるようになり、ミルクを止められたこと。なかなか歩けないので、身体障害者手帳を取得してインソールを作ってもらったところ、不安定ながらも歩ける距離が増えてきたこと。歩く練習中に転んで舌を切ってしまったが、思ったより早く治ったこと。ついに4月からは、子ども1人で通う単独クラスに進級が決まったことなど、少しずつではあるけど、できることが増えてきたことがとても嬉しいと伝えました。

 

発達知能検査「新版K式発達検査」を受ける

面談が終ると、次はいよいよ発達知能検査です。療育手帳をもらうときは、いつも「新版K式発達検査」を受けています。内容は下記のような課題をできるかどうかを見ていきます。

 

  1. 大きな鏡とゴムボールを渡され、ボールで鏡をトントンと叩くことができるか
  2. 2つのカップを用意し、そのうちの1つの中へおもちゃを入れて、両方を逆さまにする。どちらのカップの中におもちゃが入っているかを当てらるか
  3. 積み木を3つ使って、積めるか
  4. 型はめパズルができるか

 

テストの目的よりも、自分の関心ごとに夢中になる

最初のボールで鏡をトントン叩くテストは、2年前はできていたのですが、今回は、鏡に写った自分を見てニコニコしながら、持っていたボールを落としてしまいました。私は慌ててユキトへボールを渡しますが、ボールには興味を示さず、鏡に写った自分と笑顔で遊んでしまいます。コップの中のおもちゃを当てるテストも、前回はなんとなくカップに手を伸ばして、当たったり外れたりしていましたが、今回は、2つのカップを両手で持ってカンカンと音を鳴らして喜んでしまい、中に入っているおもちゃが出てきても全く興味を示しません。積み木も、型はめパズルも、両手にパーツを持ってそれぞれをぶつけてトントン、カンカンと音を鳴らして遊んでしまいます。判定をする先生が、積み木を積むお手本を見せてくれても、音を鳴らすばかりで積むことができませんでした。

 

判定結果が下がるが、成長していることも

結局、「新版K式発達検査」のテストを1つも出来ないで終ってしまいました。2年前にできていたことが今回全くできなかったので、先生は何度も何度も繰り返しやらせてくれましたが、ユキトはまったくできませんでした。結果、前回のIQは27で重度のA判定でしたが、今回のIQは16で、最重度のマルAへと、判定結果が下がってしまいました。でも、先生は「両手に1つずつおもちゃを持って、カンカンする遊びに夢中なのですね。おもちゃの音や自分の手に振動の刺激を入れて楽しんでいる時期なのでしょう。テスト的には前回できたことができなくなっていますが、鏡で自分を認識できたことは立派な成長ですよ」と教えてくださいました。

 

ショックを受けるも、気にしないで前向きに

実は、「新版K式発達検査」の判定が下がることがあるということは、聞いたことがあったので知っていました。でも、頭で分っていても、実際になってみたら、本当にショックでした。それでも先輩ママたちは、気にしなくていいと何度も言ってくれました。「テストは、受けるタイミングで結果が変わってくる」「テストを受ける前と後で、急にユキトが変わったわけではない」「ユキトはユキト」そう言ってくれていました。ショックはありましたが、これからも、ユキトと一緒に出来ることを増やしていきたいと思います。

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。