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[ダウン症児と私57]年長では念願の「歩けるクラス」へ、就学への一歩

幼稚園の年長になったユキトくんは、ママと離れて単独で通う、歩ける子のクラス「りんご組」に通っています。今回は、年中で通っていた歩けない子のクラスとはペースが異なる「りんご組」でのお話をうかがいました。周りはみんな、しっかりと歩けるお友だちばかり。まだまだ歩くのが不安定なユキトくんでしたが、それでも小学校就学へ向けて一歩前進したようです。

 

年中さんで一緒だったお友だちとの別れ

年中さんの年度末には、今まで一緒に療育を受けていたお友だちと、たくさんの別れがありました。普通の幼稚園に行く子、ほかの療育施設に編入する子、同じ幼稚園で違うクラスに進む子もいました。みんなそれぞれの道に進んでいきます。最後の日には、1年前のユキトを思い出し、マイペースながら着実に成長していることを実感し、先生方への感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

進級前、保護者説明会で単独クラスのママに会う

4月からは、念願の単独クラス「りんご組」に進級です。ユキトの通っている福祉幼稚園のクラスは縦割り制で、年少から年長までが一緒に通う10人の単独クラスが2つあります。進級前の3月に保護者説明会があり20人のママが集まりました。同じ幼稚園なので顔見知りのママもいますが、ほとんどが初めましてのママばかりでした。今までは母子クラスだったので、週に2回の通園日にママ同士が会って直接話ができましたが、今度のクラスは子どもだけが単独で通うので、ママ同士が会う機会も限られているのです。

 

動きが全く違う、新しいお友だち

知らないママが20人近く集まると、私でも圧倒されてしまいましたが、ユキトも、新しい友だち20人にびっくりしてしまうのではないかと心配になりました。小学校就学のことを考え、強引に単独クラスに入れることにしたものの、ユキトがやって行けるか少し不安になってしまったのです。ほかのお友だちは全員しっかりと歩けるのに、ユキトだけが歩くのがとても不安定で、見守りが必ず必要だったのです。活動目標も今までのクラスより高いですし、何と言っても動きのスピード、活動の速さがこれまでのお友だちとは全く違います。

 

慣れるまでは一緒に通い、徐々に単独で通う回数を増やす

活動の速さやレベルがずいぶん違うので、園長先生と面談して、慣れるまでは母子で週に2回だけ通うことになりました。4月の前半は週2回一緒に通い、後半は週に3回通ってうち1回は単独で、5月には週4回にして、私が付いていく日をだんだん減らしていきました。一緒に行く日は私の運転で通い、単独で通う日は幼稚園バスに乗って行くようにしました。

「りんご組」の活動内容は、手先を使った遊びや体を使った遊びが中心です。砂場でのどろんこ遊び、全身を使った裸での絵の具遊び、粘土遊び、体育、散歩、音楽療法、乗り物遊びなど、たくさんのメニューがあり、午前に1つ、午後に1つずつ行ないます。

 

単独クラスに通い始めると同時に、小学校の就学相談も

年長になると、小学校の就学相談も始まります。普通の小学校に進むのが不安な年長児の親は、就学相談所に直接電話をして、4月から始まる相談員の個別面談の予約を取ります。また、個別面談のほかに就学説明会も開催されます。私は、就学相談の面談と就学説明会の両方の予約を取りました。年長になったばかりで、単独クラスのスピードに慣れるかどうか不安もありましたが、いよいよ小学校就学について動き始められたことが嬉しかったです。

 

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。