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[ダウン症児と私58]小学校選びのため「就学相談会」と「学校見学」へ

年長になり、歩ける子のクラスに通い始めたユキトくん。今回は、来年入学する小学校選びのために、初めて就学相談に参加し、第一志望校を決めるまでのお話を伺いました。小学校選びには、支援を提供してくれる行政や支援施設との情報共有も重要なんだそう。ナナさんも、しっかりと情報共有をして相談したうえで、第一志望校を決めたそうです。

 

初めての就学相談に、ユキトくんと2人で出掛ける

年長になると、翌年小学校へ入学する子どものための個別相談会が始まります。この相談会は、普通小学校への入学に不安のある子たちのための相談会です。家の近くの特別支援学校の一角に就学相談所があり、4月のうちに電話で予約を入れます。待ちに待った小学校の就学相談会だったので、とても楽しみにしていました。予約した面談の日、私はユキトと2人でウキウキしながら、個別相談に行きました。

 

学校見学の結果、知的障害のある小学校を希望

特別支援学校に着いて、ユキトの担当をしてくださる就学相談の先生と会い、3人で相談室へ入りました。私は、当然のようにユキトを連れて行きましたが、子どもが騒いだりすると、ゆっくり話ができないので、1回目の相談は親だけでも良かったのだそうです。面談の間、ユキトは床の上にマットを敷いてもらい、ニコニコしながらおもちゃで遊んでいました。まず、担当の先生は、普通の小学校の支援学級と特別支援学校について教えて下さいました。ユキトは療育手帳の更新でIQが16と最重度の知的障害があると診断されていたので、私は普通の小学校ではなく、特別支援学校への入学を希望していることを伝えました。特別支援学校には、肢体不自由の子どもの学校と知的障害の子どもの学校があります。私は去年、それぞれの学校の一般公開へ行き、授業を見学させてもらっていました。そのうえで、授業内容を考え、知的障害ある子どもを受け入れる学校への就学を希望しました。

 

担当の先生によるアドバイスは、肢体不自由の子どもの学校

私が両方の学校を見学したことを話し、知的障害の子どもが通う特別支援学校へ通わせたいと伝えました。しかし、先生からは、「ユキトくんは、まだ歩きが不安定なので肢体不自由の小学校はどうでしょうか」と言われました。そして、私が見学した肢体不自由の子どもの学校とは別に、もう1つ肢体不自由の子どもの学校があることを教えてもらいました。6月に、その肢体不自由の子どもの学校と、ユキトの第一希望の知的障害の子どもの学校の一般公開があるので、2校の見学へ行くことにしました。

 

成長や病気、障がいについて記入する冊子「潤いファイル」

さらに先生は、「潤いファイル」を持って来てくれました。この「潤いファイル」は、私たちが住むさいたま市が導入している小冊子です。このファイルに、子どもが生まれたときからの成長や病気の記録と、障がいについて書いていきます。そうすると、このファイルを一目見れば、本人と保護者が、教育・医療・保健・福祉・労働などの各機関と相互に支援状況に関する情報共有をしやすくなり、必要な連携を図りやすくなります。今までの成長や日々の生活ことがすぐに分かれば、障がいのある子どもが一貫した継続的な支援を受けるのに、とても便利です。さいたま市内では、療育・福祉・保健機関などで配布されているそうです。私は、就学相談の際に、このファイルをもらい、早速ユキトが生まれてから今までのことを書き込みました。

 

リンク:さいたま市/「潤いファイル」について

6月に再度、学校見学へ行く

6月に入ってから、一般公開の日に2つの学校へ見学に行きました。就学相談で教えてもらった肢体不自由の子どもの学校の先生は、毎日歩けない子どもの足をマッサージしているようで、ユキトの足を見ると「ユキトくんは、立派な足をしているね。ベビーカーに乗っているけど、太ももにいい筋肉がついているから、もう歩けるんじゃないかな」と言いました。私は「お医者さんにもうすぐ歩けると言われています。第一希望は知的障害の子どもの学校に行きたいと思います」と答えると、「それで大丈夫だと思うよ。困ったら連絡してね」と言って下さいました。

 

2回目の就学相談で、ユキトの歩く姿も

その後、6月末に2回目の就学相談に行き、「潤いファイル」を使って今までの様子を担当の先生にお話ししました。4月の就学相談会ではユキトは座って遊んでいましたが、6月の就学相談では1人で歩き始め、別の先生がユキトと手をつないでお散歩に行き、校内を2周も歩いてきてくれました。「これなら歩ける子どもの学校に行っても大丈夫だね」と言われました。改めて知的障害の子どもの学校に行きたいとお願いをして、就学相談は終わりました。担当の先生が9月末までにユキトの特別支援学校希望の書類を作ってくれて、10月に教育委員会が就学の会議をしてくれるのだそうです。とても楽しみです。

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。