フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ、温度、洗剤…いろいろと面倒すぎる「洗濯」事情

洗濯なんて、全自動洗濯機に突っ込んで洗えばOKなご時世ですが、フランスの洗濯はなかなか挑戦的です。今回は、水質のせいで温度や洗剤などに気を遣わなくてはならない、フランスの「洗濯事情」をご紹介します。「ただ洗濯をすることが、こんなに難しいのか!」とビックリしてしまうこともあるんですよ。

 

フランスの洗濯機は、設置場所さまざま

日本では一般的に、お風呂の脱衣場に洗濯機を設置する家庭が多いと思いますが、フランスの洗濯機の設置場所は実にさまざまです。どの家庭も家主の生活に合わせて設置するので、ガレージの中や物置場、台所やお風呂場など、設置場所もいろいろあります。我が家は台所の流し台の真横に設置しているので、洗い物をしながらとか、料理を作りながら同時に洗濯できるのでラクちんです。洗濯機の形は日本と同様、縦型とドラム型のどちらも普及しています。比率としては、半々ぐらいです。

 

お湯の温度は30~90℃

フランスの洗濯機は、ただのお水では洗ことがありません。理由は、石灰成分が多い硬水なので、お湯じゃないと洗剤の成分が効力を発揮せず、汚れがきれいに落ちないんです。お湯の温度は、服の素材によって異なりますが、普通の汚れなら30~40℃に設定して洗います。子どもの泥んこ汚れや靴下なら60℃、オイルまみれの作業服や最強に汚れた綿素材の物、シラミ駆除や嘔吐したときの汚れは90℃で洗うのが一般的です。

 

フランスの洗濯は、とにかく時間が掛かる!

服の素材や温度設定にもよりますが、フランスの洗濯機は洗濯時間がメッチャ長いんです。時短で洗濯すれば1時間弱で済みますが、普通に洗濯すると2~3時間掛かるのが一般的です。エコモード付きの洗濯機では、さらに時間が掛かることもあり、電気代が気になって仕方がないので、エコモードを使用しないフランスママが多くいます。ちなみに、綿の服を90℃で洗うと2時間45分、化学繊維を30℃で洗うと1時間20分ほど、綿の服を60℃で洗うと4時間も掛かるので、お出かけ前にうっかり洗濯を始めてしまうと、洗濯終了に間に合わないうえに、干すこともできないので、本当に後悔してしまいます。

 

フランス洗濯機の「騒音レベル」

フランス人は音を気にしない人が多いので、フランスの洗濯機はメチャクチャ音がうるさいんです。しかも洗濯機が壊れても修理しながら使う人が多く、古い洗濯機になると道路工事並みの騒音が撒き散らされることもあるぐらい。音のする作業は、「集合住宅に住んでいる場合には、夜の22時までに終了させる」など、自治体によって時間帯が決められている所もあります。

 

洗濯をするときに石灰中和剤を入れる

フランスの水質は、石灰が多く含まれているので、カルキが溜まって洗濯機が故障してしまうことが普通にあります。そのため洗濯の数回に1度、「カルゴン」と呼ばれる石灰中和剤を必ず入れなくてはなりません。この石灰中和剤は、値段が安いものでは効果がないので、ある程度しっかりしたものを選ばないとならず、お金が掛かるのでホワイトビネガーで代用する人もいるんですよ。水質軟化剤入りの洗剤もありますが、それを使っていても、石灰中和剤を使用する人が多くいます。 

 

柔軟剤は、絶対必需品

フランスの洗濯では、どんな素材の服でも絶対に必要不可欠なのが、柔軟剤です。柔軟剤を入れずに洗濯をすると恐ろしくゴワゴワした洗い上がりになってしまいます。お湯を使っているので仕方がないのですが、洗濯物を痛めないためにも柔軟剤は欠かすことができません。フランスで柔軟剤は、「カジョリーヌ」という商品名で呼ばれています。エコ好きなフランスママのなかには、柔軟剤と石灰中和剤の両方をホワイトビネガーだけで代用する人もいて、仕上がりはちゃんと柔軟剤と同じように仕上がるんだそうですよ。 

 

黒い洋服を長持ちさせるための洗剤がある

フランスでは男女を問わず黒い洋服を着る人が多く、洗濯による色落ちを防ぐために専用の洗剤を使います。逆に真っ白な洋服が、洗濯を繰り返すうちにグレーっぽくくすんできた場合には、洗濯物に重層を振り掛け、洗剤と柔軟剤を通常通りに使用して、白さを復活させるというフランスママも多くいるんですよ。

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。