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【これからは予防の時代4】生活習慣病の予防3本柱:運動と心理(後編)

前回は、生活習慣病予防の3本柱のうち、「食事」の注意点をお話しました。今回は、「運動」「心理」について、お話します。

 

運動で摂り過ぎた脂肪を燃焼

摂り過ぎたエネルギーを燃やして肥満を防ぐという視点で、運動は重要です。生活習慣病が増えた原因には、自動車が普及して歩かなくなったことが挙げられるくらいです。特に、蓄積された内臓脂肪は有酸素運動でよく消費されることが分かっています。さらに運動、なかでも特に筋トレを毎日続けることで、全身の筋肉量が増加します。これにより基礎代謝がアップすると、身体に余分な脂肪がつきにくくなります。

 

ストレスは、生活習慣病の原因にも

次は「心理」、つまりストレスです。過食、喫煙、過飲、睡眠不足などは、ストレスが原因でもあり、さらにこれらは生活習慣病とも密接に関係しています。ですので、ストレスコントロールは非常に重要です。

 

ストレスが直接の体調に悪さする例

またストレスは、大脳の視床下部に作用して、自律神経失調症の原因になったり、免疫力が低下させたりします。免疫力が低下すると風邪などの感染症にかかりやすくなります。

 

ホルモンバランスにも影響

またストレスは、内分泌系異常の原因にもなります。内分泌系に異常をきたすと、月経の周期が乱れたり止まったりすることもあります。国により、従業員50人以上の企業では2015年12月から、毎年従業員に対しストレスチェックすることが義務付けられました。そしてストレスコントロールも重要な課題になっています。ストレスチェック制度の詳細についてはまた後日触れますが、厚生労働省から、「ストレスチェック制度 導入マニュアル」がでていますので、興味のある方は見てみてください。 

ストレスチェック制度 導入マニュアル(厚生労働省)
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等(厚生労働省)

 

 

高島裕一郎(医学博士)

予防医学を専門としている医師です。医療の高度化でさまざまな病気の原因がわかるようになりました。これは同時に、いろいろな病気を予防することができるようになってきたことを意味します。生活習慣病やガンなど、生活のなかで予防のできる病気と、その予防方法について、お伝えしていこうと思います。日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医。