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あなたは何℃?免疫力と代謝をアップさせる、5つの体温の上げ方

近年、体温低下が原因の体調不調を抱えている人が増えています。今回は、自己治癒力を最大化できる37℃の体温を維持する方法をお伝えします。体温が36℃前後と低くなりがちな女性は冷え性にもなりがちで、そこへ無理なダイエットやストレスが加わると女性ホルモンのバランスも乱れ、生理周期にも影響が出てしまいます。風邪などへの抵抗力や、がんに打ち勝つ力にも関係するといわれる体温について基礎知識を身に付けましょう。

 

自己治癒力の秘密

人間は、自分の体で自分を治す自己治癒力をもっています。しかし、日常生活の乱れやストレスなどで、この自己治癒力がうまく働かなくなることがあります。また不調が起きたときに薬を「カジュアル飲み」することで体内機能が妨害されたり、過去の不調が自己治癒力で治ったことに気付かない方も多いのが現状です。

自己治癒力は免疫力と代謝で成り立っています。免疫力は、細菌やウイルスなどの異物から身体を守る機能。代謝は、身体の古くなった細胞が新しい細胞に生まれ替わる機能で、毒素排泄、解毒作用などのデトックスにもつながっています。この2つの機能を正常化することが自己治癒力を維持する大切なポイントになるのです。

 

平均体温は37℃前後が理想

この免疫力と代謝が、うまく機能する体温が37℃前後と言われています。実際に50年ほど前の調査では、日本人の平均体温は36.6〜37.2度でしたが、現在はそれより0.7℃下がっているのです。その原因として、自動車や家電製品などの発達によりライフスタイルが変化し、筋肉量が減ってきたことが大きいと考えられています。37℃と聞くと「熱がある」と感じる方もいると思いますが、この温度を「発熱」ではなく「平均体温」にすることが大切なのです。逆に、36℃を下回ることを「低体温」と呼びます。

【低体温が及ぼす体への影響】

 ・免疫力が低下するので、ウイルスや細菌に負けやすくなる
 ・ガン細胞が増えやすい
 ・血流が低下するので、代謝が落ちて太りやすくなる
 ・疲れやすくなる
 ・不妊になりやすい
 ・花粉症などのアレルギー症状が出やすくなる
 ・肌のツヤやハリが失われる

 それでは、体温を上げるにはどのような方法があるのでしょうか。いくつかご紹介します。

 

体温を上げる方法1:筋肉を付ける

女性に低体温や冷え性が多い理由として、男性よりも筋肉量が少ないことが挙げられます。筋肉運動による血液循環が少なくなると、体温が下がる原因になります。適度な筋肉を付けるには、激しい運動ではなく、スクワットや腹筋で筋肉を鍛えたり、ストレッチやヨガなどがおすすめです。

 

体温を上げる方法2:白湯を朝晩

東洋医学では、体が冷えることは「陽の気」つまり「プラスエネルギー」が少ない状態を指します。白湯は、そんなプラスエネルギーを手軽に摂ることができる方法です。まずは体を内側から温める、これがスタートラインなのです。白湯を飲むときは、コップ1杯分を10〜15分くらいかけてゆっくり飲んでください。これを朝と寝る前に行なうと有効です。

 

体温を上げる方法3:ショウガやシナモンと紅茶の組み合わせ

ショウガやシナモンを加えた紅茶もおすすめです。ショウガの体を温める作用は、乾燥させるか、加熱しないと発揮されません。そのため、温かいものに入れるのが一番手軽なのです。シナモンは、漢方処方にも用いられる「桂皮(けいひ)」という生薬で、体を内側から温める作用があります。紅茶に含まれる紅茶ポリフェノールには抗酸化作用もあるので、免疫力アップにも効果があります。この組み合わせは、体温を上げることによる免疫力と代謝の両方を上げてくれますので、風邪を引いたときなどにも有効です。紅茶の渋みで咳が出るようであれば、ハチミツを加えることで喉の炎症にも効きます。

 

体温を上げる方法4:エコカイロでお腹を温める

低体温は内臓の冷えにもつながります。お腹を温めてあげることは正常な内臓機能を維持するためにも、とても大切です。特に女性は生理がありますので、子宮を温めることは、妊活にも有効です。そんなときに使いたいのが、小豆を布袋に包んだエコカイロ「小豆カイロ」です。一度作れば、電子レンジで温めるだけで何回も使えて経済的ですし、袋詰めされたものも売っています。また小豆は適度な水分を含んでいるため温めると蒸気が出ますが、使い捨てカイロや湯たんぽは蒸気が出ないので、肌の乾燥を招いてしまいます。小豆のほかにも糠(ぬか)や玄米カイロも同じように、蒸気のあるタイプのカイロとして利用できます。

 

体温を温める方法5:アロママッサージ

アロマオイル効果も体温を上げるのに有効です。オレンジやレモンのような柑橘系の香りは、血液循環を良くするので、マッサージだけでなく、アロマバスとして用いたり、洗面器などで手足を浸けるだけでも体温を上げ、末端冷え性も改善します。

 

まとめ

いかがでしたか?体温が下がっていると、最初に手足や内臓が冷えてきます。そこから次第に免疫力や代謝が低下していき、結果的に自己治癒力が下がってしまうのです。今回ご紹介した内容で、自分でもできそうな方法を見つけて実践してみてくださいね♪今日から平均体温37℃の病気に負けない体作りのスタートです!

 

宮本知明(薬剤師)

病院薬剤師を経て「薬と共存しない生活」の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、新婚女性、新米ママさんを統合医療の知識をもった「ホリスティックな健康観を持つ女性」に育成する活動を通して、いつもの台所を「食材の薬箱」、家庭の薬箱を「植物の薬箱」、笑顔が「心の薬箱」になる提案を行なっています。
薬剤師/GAJ認定ジェモセラピスト(植物療法士)/漢方ソムリエ/薬膳マイスター(国際薬膳食育師3級)/アンチエイジングプランナー。Facebookはこちら